FX基礎知識
Sep 10, 2024

ビッド・アスク・スプレッドとは?仕組みと特徴【投資戦略と注意点】

FX(外国為替)市場で成功するためには、基本用語の理解が不可欠です。その中でも「ビッド・アスク・スプレッド」は投資家にとって重要な要素の一つです。本記事では、ビッド・アスク・スプレッドの仕組みや特徴、そして投資戦略までを詳細に解説します。 

初めに、ビッド・アスク・スプレッドが具体的に何を指すのか、その基本的な定義から始めましょう。さらに、このスプレッドがどのように形成され、市場の流動性や取引のコストにどのような影響を与えるのかに焦点を当てます。そして、ビッド・アスク・スプレッドを理解することがなぜ重要なのか、トレーダーがこれを把握することで得られる利点についても明らかにします。 

また、この記事では投資戦略においてビッド・アスク・スプレッドをどのように活用できるかにも触れ、あなたが市場でより効果的に取引を行うためのヒントを提供します。最後に、注意点や留意すべきポイントについても解説し、知っておくべき情報を包括的にお届けします。 

本記事でビッド・アスク・スプレッドに関する知識を深め、損失リスクを抑え、利益を最大化させましょう。 

ビッド・アスク・スプレッドとは? 

ビッド・アスク・スプレッドとは一体何なのでしょうか? 

一言で言うと、ビッド・アスク・スプレッドは買い手と売り手の価格の差を意味しています。 

ビッド (Bid) とアスク (Ask) は、金融市場で使用される用語で、買い手と売り手の価格を示します。ビッドは買い手が支払う意向の価格であり、アスクは売り手が取引に同意する価格です。スプレッドはこれらの価格の差を指します。 

ちなみに、アスク(Ask)は同じ意味合いであるオファー(Offer)とも呼ばれ、ビッド・アスク・スプレッドはビッド・オファー・スプレッドとも呼ばれることがあります。 

ビッド・アスク・スプレッドの仕組みや特徴を詳しく見ていきましょう。 

仕組み 

ビッド・アスク・スプレッドは、買い注文(ビッド)と売り注文(アスク)の価格の違いを表します。ビッド価格とは、買い手が支払うことを希望する最も高い価格のことです。一方、アスク価格は、売り手が商品を売るために受け入れる最も低い価格を意味します。 

スプレッドは固定スプレッドのブローカーもありますが、ThreeTraderも含めて変動制スプレッドを導入しているFX業者が多いです。 

スプレッドの幅は、相場の流動性によって変わります。流動性が高いと、多くの人が取引しているため、ビッドとアスクの価格差が狭くなる傾向があります。つまり、流動性が高ければ高いほど、スプレッドは小さくなる傾向があります。 

また、取引所やブローカーは、スプレッドを収益の一部としています。このため、トレーダーにとっては、取引手数料が無料であっても、スプレッドが実質的な取引コストになることがあります。 

特徴 

スプレッドの幅は、相場の動きに応じて変わります。経済指標の発表前後や流動性の低い時間帯・時期は、スプレッドが広がりやすくなります。これは、買い手と売り手の間の価格差が大きくなるためです。 

FXなど流動性の高い相場では、スプレッドは狭くなりやすいです。多くの人が取引しているため、価格の差が小さくなるからです。一方、変動が激しかったりクロス通貨ペアの場合、スプレッドはメジャー通貨ペアよりも広く設定されています。 

スプレッドは、供給と需要のバランスを映し出しています。人気のある通貨ペアや銘柄は、需要が高いためスプレッドが狭くなる傾向があります。 

トレードをする通貨ペアを選ぶときには、スプレッドの幅を考えるのがおすすめです。例えば、FXではドル円やユーロドルなどの人気通貨ペアを選ぶと、スプレッドのコストを節約できます。 

具体例 

まず、ドル円(USD/JPY)やユーロドル(EUR/USD)のような主要通貨ペアは、流動性が高いためスプレッドが狭くなります。日本のFX業者では、0.2Pips程度の非常に狭いスプレッドを提供することもあり、競争が激しいです。海外FX業者も、これらの通貨ペアではスプレッドが低めに設定されています。 

経済指標が発表される直前や直後は、注文量が急増し、スプレッドが広がることがあります。 

例えば、毎月第一金曜日に発表される米国の雇用統計の前後では、スプレッドが開きやすいです。米雇用統計の日は、重要経済指標が相次ぎ、相場が激しく変動します。スプレッドも突然大きくなるリスクを意識する必要があるでしょう。 

また、政治的な大きなイベントがある時も、相場は急反応を見せます。少し前ですがイギリスのEU脱退を問う選挙時には、スプレッドが100Pips以上に開くブローカーもあれば、取引が一時停止する業者も出るほどでした。 

さらに、取引時間帯によってもスプレッドは変動します。特に、スワップポイントが付与されるロールオーバーの時間帯、日本時間の午前7時前後(夏時間では午前6時前後)は、スプレッドが拡がりやすく、その後30分ほどは通常よりも広い状態が続きます。 

これらの例からわかるように、スプレッドはさまざまな要因によって変動します。トレーダーはこれらの点を理解し、取引戦略を立てる際に考慮することが重要です。ブローカー選びも、スプレッドの動きを踏まえて行うと良いでしょう。スプレッドの動きは事前にデモ口座などで確認しておくのがおすすめです。 

ビッド・アスク・スプレッドと投資戦略 

投資戦略において、ビッド・アスク・スプレッドの理解とコストを抑えることは成功の鍵を握ります。スプレッドコストを最適化することで、トレード効率を高められるからです。では、どのようにコストを最適化すればよいのでしょうか? 

具体的には以下の3つを行います。 

  • スプレッドコスト増加の要因に注目する 
  •    
  • 流動性が高く、スプレッドが狭い通貨ペアを選ぶ 
  •    
  • スプレッドが狭い取引時間帯を選ぶ 

それぞれを詳しく見ていきましょう。 

スプレッドコスト増加の要因に注目する 

経済指標の発表や政治的なイベントなど、相場の不確実性が高まるタイミングでは、スプレッドが広がりやすくなります。このような時期には、特に注意が必要です。また、通貨ペアを選ぶ際に、スプレッドの変動要因を考慮することで、取引コストを減らすことが可能です。 

特定の時間帯には、スプレッドが狭くなることがあります。例えば、主要な市場が重なる時間帯では、取引量が増え、スプレッドが縮小する傾向が見られます。このような時間帯を狙って取引するのも、一つの戦略です。 

クロス通貨ペアもスプレッドの変動に影響します。特定の国の市場が開いている時は、その通貨ペアのスプレッドが狭くなりやすいです。例えば、ポンド円はロンドン市場の開場時にスプレッドが狭くなり、変動幅も大きくなります。 

ボラティリティ 

相場のボラティリティ、つまり価格変動の激しさが高まる時、スプレッドは拡大することが多いです。この時、スプレッドが広がるのは、相場の不確実性が高まり、リスクが増すためです。 

ボラティリティが高いと、取引におけるリスクも高まりますが、利益を得るチャンスも同時に増えます。そのため、トレード戦略を慎重に立てる必要があります。リスクを適切に管理しつつ、利益を最大化できるように計画することが大切です。 

ボラティリティが高くなるタイミングとしては、いくつかの要因があります。重要な経済指標が発表される時や、突発的な事件、政治的な動きや要人の発言などが、相場に大きな影響を与えることがあります。 

トレーダーは、ボラティリティが変動する要因を理解し、どのような時にリスクを取り、いつ慎重になるかを判断することが大切です。 

流動性 

高流動性の相場や通貨ペアでは、スプレッドが狭くなる傾向があります。これは、多くの取引が行われるため、買い手と売り手の価格差が小さくなるからです。その結果、取引コストも低く抑えられます。 

一方、流動性が低い相場では、スプレッドが広がりやすくなります。これは、取引される量が少ないため、買い手と売り手の価格の差が大きくなるからです。そのため、高い取引コストが発生する可能性があることを念頭に置く必要があります。 

また、クリスマスや年末年始のような休暇シーズンは、スプレッドが広がりやすい時期です。これは、多くのトレーダーが休暇を取るため、相場の流動性が低下するからです。 

これらの点を理解し、流動性の高い時期や通貨ペアを選ぶことで、スプレッドコストを抑え、より効果的な取引を行うことができます。休暇シーズンなど流動性が低い時期には、特にスプレッドに注意して取引を行いましょう。 

ニュース 

重要な経済や政治のニュースは、相場の反応を引き起こし、スプレッドに影響を与えます。ニュースが発表される直前や直後には、特にスプレッドが拡大する傾向があります。このため、トレーダーはニュースのタイミングを把握し、その影響をトレード戦略に組み込む必要があります。 

特に注目されるのは、米国の雇用統計や消費者物価指数、連邦公開市場委員会(FOMC)の発表や連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言などです。米国経済はFX相場において非常に重要で、これらの経済指標が発表される時には、スプレッドが拡がることが多いです。 

また、紛争の発生や予想外の事態が起こったときも、スプレッドは広がります。このような状況では、通常のトレードが難しくなることがあります。ニュースや世界の動向に注意を払い、スプレッドの変動に備えることが大切です。 

流動性が高く、スプレッドが狭い通貨ペアを選ぶ 

主要通貨ペア、例えばユーロ/ドル(EUR/USD)やドル/円(USD/JPY)は、流動性が高いため、スプレッドが狭くなります。ThreeTraderでは、ユーロドルは平均0.5Pips(Pure Spread口座)、ドル円は平均0.6Pipsのスプレッドで取引されています(執筆時点)。 

流動性の高い通貨ペアは、多くの取引量があるため、スプレッドが安定しやすくなります。その結果、取引コストを節約できます。さらに、メジャー通貨ペアは世界中で広く取引されており、関連情報も容易に手に入れることができます。 

このように、流動性の高い、スプレッドが狭い通貨ペアを選ぶことは、取引コストの削減だけでなく、情報入手の容易さという面でもメリットがあります。取引する際は、これらの点を考慮して通貨ペアを選ぶと良いでしょう。 

スプレッドが狭い取引時間帯を選ぶ 

ロンドン市場とニューヨーク市場が重なる時間帯は、スプレッドが狭くなる傾向があります。この時間帯は、世界中のFX取引量が最も多くなり、スプレッドの安定性が高まります。 

一方、ニューヨーク市場の終了後や東京市場が開始する前は、スプレッドが広がる可能性があります。この時期は取引量が少なく、スプレッドの変動が大きくなりやすいです。 

また、米国の重要な経済指標が発表される日には、特に注意が必要です。ロンドン市場の前後から取引量が減少するため、スプレッドが不安定になることがあります。 

これらのポイントを把握し、スプレッドが狭い時間帯を選んで取引を行うことは、効率的なトレーディングにつながります。特に、経済指標の発表予定を確認し、その影響を受けない時間帯を選ぶことが重要です。 

ビッド・アスク・スプレッドの注意点 

ビッド・アスク・スプレッドにはトレーダーが注意を払うべきポイントがいくつかあります。例えば、重要な経済指標の発表やニュース、急発的なイベントがスプレッドに影響を与えることがあります。また、取引プラットフォームによって、スプレッドが異なる点にも注意が必要です。それぞれの注意点を詳しく見ていきましょう。 

重要な経済指標の発表やニュースにスプレッドは影響されやすい 

経済指標や大きなニュースが発表されると、相場のボラティリティが増し、スプレッドが広がります。特に米雇用統計やGDP発表、消費者物価指数、中央銀行の政策決定のようなイベントは大きな影響を持ちます。 

FXブローカーによってスプレッドの拡がり方は異なります。中には発表後もスプレッドが不安定になるブローカーもあり、長時間広いスプレッドが続くことがあります。 

デモ口座でスプレッドの動きを確認すると良いでしょう。これにより、どのブローカーが自分に合っているかを知ることができます。 

また、経済指標の影響でスプレッドが極端に広がるブローカーを選ぶと、予期せぬストップロスや指値注文の約定、決済の問題が起こる可能性があります。そのため、ブローカー選びは慎重に行うことが重要です。 

突発的なイベントにスプレッドは影響されやすい 

政治危機、自然災害、テロ攻撃などの予期せぬ出来事は、スプレッドに大きく影響します。これらは突然相場を変動させ、取引のリスクを増大させる原因となります。結果として、スプレッドは急に広がることがあります。 

リスクを管理するには、ストップロスの設定が効果的です。これにより、損失が特定の範囲を超えたら自動的に取引が終了し、大きな損失を防ぐことができます。 

例えば、ThreeTraderなどのプラットフォームでは、強制的なロスカット設定があり、最悪の状況でもトレーダーが負債を負わないゼロカットシステムが備わっています。 

予測できないイベントが起きた時に備えて、これらのリスク管理ツールを上手く使うことが大切です。これにより、不意の相場変動から投資を守ることが可能です。 

取引プラットフォームによってスプレッドは異なる 

FX業者ごとにスプレッドは違いますし、同じ業者内でも口座タイプによってスプレッドが変わります。 

例えば、ThreeTraderでは、Pureスプレッド口座とRawゼロ口座の2種類があり、Rawゼロ口座の方がスプレッドが狭い設定になっています。 

ただし、スプレッドが狭い口座では取引手数料がかかることもあります。そのため、手数料を含めた実質の取引コストを考慮することが重要です。一般的には、上級者向けの口座ではスプレッドが狭く設定されていますが、取引条件が厳しいか、初回入金額が高いことが多いです。 

ThreeTraderのRawゼロ口座の場合、初回入金は10万円以上が条件ですが、2回目以降の入金には特に制限がありません。さらに、スワップポイントも異なるため、それらを確認することがおすすめです。 

ThreeTraderの狭いビッド・アスク・スプレッドを投資戦略に活用 

ThreeTraderでは、経済指標の発表後のトレードでスプレッドが拡がりにくい特徴があります。 

例えば、2024年1月の米消費者物価指数が発表された時、ThreeTraderのPureスプレッド口座は0.7Pipsから最大1.4Pips、Rawゼロ口座は0.2Pipsから0.6Pipsまで拡がりました。しかし、ThreeTraderでは約3分後にはスプレッドが元の水準に戻っています。 

他のブローカーでは、経済指標の発表前からスプレッドが拡大する場合があります。また、発表後10分程度で徐々に元の水準に戻るブローカーもいれば、発表後にスプレッドが縮小するものの、元の水準に戻らず不安定になるブローカーも存在します。 

ThreeTraderは、経済指標の発表前後でも、他社と比べてトレードしやすい水準のスプレッドを提供しています。このような特徴を理解し、経済指標の発表時にThreeTraderのスプレッドを活用することで、より効果的な取引戦略を立てることができます。 

 

まとめ|ビッド・アスク・スプレッド 

本記事では、ビッド・アスク・スプレッドについて深く理解するための要点を解説しました。まず、「ビッド・アスク・スプレッドとは?」では、金融市場でよく使われる重要な概念であることを説明しました。価格差の仕組みとその特徴を押さえることが、投資において成功するための第一歩です。 

次に、「ビッド・アスク・スプレッドと投資戦略」では、スプレッドを活用した投資戦略に焦点を当てました。ボラティリティや流動性に注目し、狭いスプレッドを持つ通貨ペアや取引時間帯を選ぶことで、トレード効率は向上させられます。これらの戦略を実践に組み込み、利益を最大化させましょう。 

そして、「ビッド・アスク・スプレッドの注意点」では、投資家が注意すべきポイントについて言及しました。経済指標やニュース、取引プラットフォームの選定など、スプレッドに影響を与える要因を理解することで、リスクを最小限に抑えることができます。 

狭いスプレッドを提供しているThreeTraderを利用することで、より効果的な投資が可能となります。口座開設ステップは5分で完了できるので、ぜひ今から実際にお試しください。