FX基礎知識
Nov 30, 2024

FXロンドン時間とは?特徴と取引手法【注意点も解説!】

外国為替取引(FX)を始める際に、トレーダーたちが最も気にするのは、市場の動きを最大限に活用できる適切な取引時間帯です。特にロンドン時間は、世界有数の外国為替市場であり、多くのトレーダーがその活発な相場に目を向けています。では、ロンドン時間とは一体何なのでしょうか? 

本記事では、ロンドン時間の基本的な理解から特徴や取引手法、そして注意すべき点まで、詳細に解説します。 

この記事を読むことで、ロンドン時間の特徴を最大限に活かすための効果的な取引手法を身に付けることができます。市場の活発な時間帯を見逃すことなく、利益を最大化するトレード戦略についても解説します。さらに、トレーダーたちが陥りがちな失敗や落とし穴にも目を向け、その回避法についてもお伝えします。 

ロンドン時間を理解することは、トレード成功に近づくための大切な一歩です。この記事を読むことで、あなたはより自信を持ってトレードに臨むことができ、市場の波に乗りこなす力を身につけることができるようになるでしょう。 

 まずは、ロンドン時間とは何か、その詳細を解説していきます。 

FXロンドン時間とは?

FXで成功するためには、適切な取引時間を知ることが不可欠です。その中でも特に重要な時間帯が、「ロンドン時間」です。 

 結論から言うと、ロンドン時間はイギリスの主要な取引時間帯です。ロンドン市場は、世界三大市場の一つで、日本や欧州、アメリカの市場が重なる時間帯になります。この時間帯は、市場の取引量が最も多くなり、多くのトレーダーが活発に取引を行う時間帯です。 

 具体的な取引時間や他の市場とのオーバーラップを見ていきましょう。 

取引時間(夏時間と冬時間)

ロンドン時間の取引時間 日本時間17時~26時(夏時間は16時~25時)

夏時間と冬時間は、日照時間の変動に対応するための制度です。イギリスをはじめとする多くの国々では、日照時間が季節によって大きく変わるため、この制度を採用しています。 

イギリスでは、通常、3月の最後の日曜日に夏時間に切り替え、10月の最後の日曜日に冬時間に戻します。日本時間でいうと、ロンドン市場の取引開始時間は、夏時間中は16:00、冬時間中は17:00です。夏時間になることで、経済指標の発表時間が変化したり、相場の動く時間帯も変化します。 

ロンドン市場の取引開始前後は為替相場が大きく変動する時間帯です。ストップロス注文を狙ったブレイクアウトやショートカバーの動きが発生しやすくなります。ロンドン市場の取引開始前後の時間帯を意識するだけでも、不必要なリスクを避けることができます。夏時間と冬時間の変更については、当社ThreeTraderの「NEWS」でも発信しているので、3月と10月に一度確認してみるのがおすすめです。

 オーバーラップ(アジア時間とニューヨーク時間) 

主要市場のオーバーラップ時間 

FX取引において、市場同士が重なる「オーバーラップ」の時間帯は非常に注目されます。特に、東京市場とロンドン市場は厳密な開場時間が定まっていませんが、一般的には16:30~18:30(夏時間では15:30~17:30)の時間帯が、取引量が増加し、ボラティリティが急上昇する可能性がある時間帯です。特に、ロンドン株式市場が始まる前の日本時間16:00(夏時間は15:00)には英国の重要な経済指標の発表が多く、ポンドドルやポンド円を中心としてボラティリティが増大することが多くなります。

一方、ロンドン市場とニューヨーク市場がオーバーラップする時間帯は、22:00~深夜2:00(夏時間では21:00~深夜1:00)となります。この時間帯は、米国の経済指標が22:30(夏時間では21:30)に発表されることが多く、1日の中で最も取引が活発となる時間帯です。

FXロンドン時間の特徴

ロンドン時間は、外国為替取引市場において非常に重要な時間帯であり、多くのトレーダーにとって魅力的な特徴を持っています。 

まず、ロンドン時間の最大の特徴の一つは、平均為替取引量が他の市場よりも圧倒的に多いことです。ロンドン市場は欧州通貨の主要な取引センターであり、世界中のトレーダーが注目する市場です。取引量が大きいため、他の時間帯よりもスプレッドが狭くなりやすく取引価格が安定しやすくなるというメリットがあります。 

また、欧州の主要な経済指標や重要なイベントが発表されるタイミングで、相場が大きく動くことがよくあります。トレンドが急速に発生したり、転換したりすることもしばしばです。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。 

平均為替取引量が他の市場よりも多い

ロンドン市場は外国為替取引の中心として知られ、取引量が多いのが特徴です。ロンドンのトレーダーが市場に参加することで、取引量が急激に増加します。事実、世界全体のFX取引の約30%以上がロンドン市場で実施されていると言われています。この高い取引量は、市場の流動性を向上させる要因となります。流動性が高まると、スプレッドが狭くなる傾向があり、大きなポジション量でも約定しやすくなります。このような特性は、トレーダーにとって非常に有利な環境を提供すると言えるでしょう。

 欧州系通貨ペアの変動が激しくなる 

特にポンドドル(GBPUSD)、ユーロドル(EURUSD)、ポンド円(GBPJPY)、ユーロ円(EURJPY)といった欧州系通貨ペアのボラティリティが顕著に上昇します。これは、EU圏や米国の重要な経済指標の発表時間と重なるためで、相場の方向性が急激に変わることも珍しくありません。加えて、インフレ率、雇用率の発表や要人の発言といった市場が注目するイベントもこの時間帯に集中しています。 

これらの要因により、ロンドン時間はトレンドが形成されやすい重要な時間帯となり、翌日の東京市場にも影響するほどです。 

トレンドが発生・転換しやすい 

ロンドン市場の取引時間は、トレンドの発生やその転換点となる場面が頻繁に見られます。主な理由として、多くの経済データや要人発言がこの時間帯に発表されるため、市場の動向が一気に加速することがあります。 

特に、ロンドンとニューヨークの市場が重複する時間帯は、世界中からの大量の取引が集中し、大きな資金の流入・流出が発生します。このような状況下で、新しいトレンドが形成されることは珍しくなく、また、既存のトレンドが転換するシグナルが出やすくなります。トレーダーは、この時間帯の動きをしっかりとキャッチし、適切なタイミングでポジションを取ることで、利益の機会を最大化することができるでしょう。 

FXロンドン時間に有効な取引手法 

ロンドン時間は、世界最大級の外国為替取引が活発な時間帯であり、トレードのチャンスが豊富な時間帯です。トレーダーたちにとって、この時間帯で効果的な取引手法を持つことは重要な成功要因となります。このセクションでは、ロンドン時間に有効な取引手法を徹底的に解説します。 

 さっそく、具体的な取引手法を見ていきましょう。 

ロンドン市場開始後のブレイクアウト

ロンドン時間のブレイクアウト手法  

水色・・東京市場 赤色・・ロンドン市場 

ロンドン市場の開始後、特に東京市場でレンジ相場が形成されていた場合、ブレイクアウトの可能性が高まります。このブレイクアウトの傾向は、レンジ幅が狭いほど、大きくなることが多いです。 

取引の際は、長期や短期の移動平均線の位置関係をチェックし、これがブレイクアウト予想の方向に有利であると感じたらエントリーのタイミングを検討します。ただし、ダマシの動きも発生するため、その点には注意が必要です。 

ダマシを活用した押し目や戻り売り

ロンドン時間のダマシを活用する手法 

ロンドン市場の開始直後には、ダマシの動きが頻発することが知られています。 

特に、日足の大きなトレンドがある中で、大きなトレンドとは逆の方向にブレイクアウトが発生した場合、そのダマシを利用して押し目や戻り売りのトレードを仕掛けることができます。ただし、ダマシの期間がNY市場直前まで続く可能性もあり、ポジション量には十分注意が必要です。 

この手法は短期間で逆張りとなるため、必ずストップロスを設定してリスクを管理することが重要です。 

ロンドンフィックス前の短期トレンドを狙う

NYの経済指標発表後からロンドンフィックスにかけては、短期トレンドが発生する可能性が高まります。この時間帯には、米国の経済指標の発表を元にトレンド方向へのエントリーを検討し、ロンドンフィックス直前に決済を行う戦略が効果的です。トレードの前には通貨の強弱をチェックし、市場での最強と最弱の通貨を特定するのがベストです。特に、米国のニュースに基づく場合、ドルを含む通貨ペアのトレードが推奨されます。 

FXロンドン時間の注意点 

ロンドン時間は、多くのトレーダーにとって非常に魅力的な時間帯ですが、同時に注意が必要なポイントも存在します。このセクションでは、ロンドン時間に注意すべき重要な点を解説します。これらの注意点を把握することで、トレードのリスクを最小限に抑えることができるようになるでしょう。 

  • イギリスの休日における取引量の減少 
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  • ロンドンフィキシング(ロンドンフィックス)の時間帯における価格の動き 
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  • ロンドン時間とニューヨーク時間のオーバーラップにおける高いボラティリティ 

まず、イギリスの休日はFX取引量が減少する傾向にあります。イギリスの銀行休業日や祝日には、ロンドン市場が閉まることで取引量が減少し、市場の流動性が低下します。これにより、スプレッドの拡大や価格の急変に注意する必要があります。 

次に、ロンドンフィキシング(ロンドンフィックス)の時間帯には価格の動きが影響を受けやすいです。ロンドンフィキシングとは、ロンドン市場の営業終了前に行われる一連の取引で、価格の決定が行われる時間帯です。この時間帯には相場の波乱が起こりやすいため、トレーダーは慎重に取引を行う必要があります。 

さらに、ロンドン時間とニューヨーク時間がオーバーラップする時間帯は、値動きがさらに激しくなる傾向があります。世界最大の外国為替市場であるロンドン市場とニューヨーク市場が同時に活発な取引が行われるため、相場の動きが急速に変わることがあります。この時間帯は、市場の変動に対するリスクマネジメントが重要となります。 

それぞれの注意点を詳しく見ていきましょう。 

イギリスの休日は取引が減少する

イギリスの休日、特に銀行の休業日や祝日は外国為替取引の活動が低下します。この時、主要な取引プレーヤーが市場から離れるため、通常よりも流動性が低下し、相場が不安定になります。また、マイナーなニュースやイベントでも価格が大きく動く可能性があるため、相場の方向性の予想がしにくくなってしまうでしょう。このような日には、通常の日とは異なるリスクが伴うため、特に新しいトレードのエントリーを検討する場合、十分なリスク管理が必要です。 

ロンドンフィキシング(ロンドンフィックス)の影響を受けやすい 

ロンドンフィキシングは、日本時間の深夜1:00(夏時間:深夜0時)の前後の時間帯を指します。この前後の時間帯に大量の取引が集中するため、短期間で価格が大きく変動します。この期間中、通常の分析やテクニカル指標が通用しづらくなる場合があります。ロンドンフィキシングはゴールドの価格決定を行なうのですが、ゴールドは米ドル建てで実施されるため、FX相場にも影響するのです。 

ニューヨーク時間とのオーバーラップ時は値動きがさらに激しくなる 

ロンドンとニューヨークの市場が重複する時間帯は、特にボラティリティが高まることが多いです。この時、両市場の経済指標やニュース、取引注文が相次ぎ、ボラティリティが大きくなります。トレンドの方向性が決まることもあるため、5分足などの短期トレーダーであればトレンドフォローで大きな値幅を狙えるでしょう。  

FXロンドン時間に関するよくある質問 

ロンドン時間とニューヨーク時間の違いは? 

A. ロンドン時間は欧州通貨ペア中心、ニューヨーク時間はドルストレート通貨が中心です。

FXロンドン時間とニューヨーク時間の間にはいくつかの顕著な違いがあります。ロンドン時間の前後には、東京市場のトレンドとは逆の「ダマシの動き」が見られることが一般的です。また、東京時間のストップロスを狙い、突如トレンド方向へシフトする動きも特徴的です。ニューヨーク時間は、米国の経済指標発表の影響を受けやすく、強力なファンダメンタル要因が存在する場合、トレンドが非常に強まることも。ロンドン時間中のトレンドが継続しやすい一方、ロンドンフィキシング後にはレンジ相場となることも少なくありません。 

FXロンドン時間と東京時間の違いは? 

A. ロンドン時間は取引量が大きくトレンドが発生しやすい一方、東京時間はドル円中心にレンジ相場となる傾向があります。 

FXロンドン時間と東京時間の主要な違いは、中心となる通貨ペアにあります。東京時間は、ドル円やオセアニア通貨ペアが主要な通貨ペアとなるのに対し、ロンドン時間はユーロドル、ポンドドルなどの欧州通貨ペアやドル円が中心です。ロンドン市場は一方向のトレンドが進行しやすい特徴があり、東京時間にレンジ形成が見られた場合、その後のブレイクアウトの可能性が高まります。 

Threetraderの取引時間は?

A. FX通貨ペアに関しては週5日24時間です。各CFD銘柄によって取引時間は異なります。 

Threetraderでは、FX通貨ペアの取引は週5日、ロールオーバーの時間を除き24時間行うことができます。特に、毎朝スワップポイントが付与されるロールオーバーの時間は注目が必要です。一方で、CFD銘柄の取引時間は異なりますが、詳細はMT4上で確認することができます。 

まとめ|FXロンドン時間 

本記事では、FXのロンドン時間について解説してきました。ロンドン時間は世界最大級の外国為替市場が活発になる時間帯であり、多くのトレーダーにとって重要な要素となっています。 

 ロンドン時間は、市場の活発さと相場の動きが魅力的な時間帯です。しかし、同時に注意が必要な点も存在します。適切な取引手法やリスク管理を身につけることで、ロンドン時間を有効に活用でき、トレードの成功につながります。 

 この記事で紹介した注意点を考慮しながら、有効な取引手法を実践し、リターンを最大化させましょう。