FX基礎知識
Aug 26, 2024

デッドキャットバウンスとは?活用手法3選【注意点も解説!】

株価やFXレートが急落した後、一時的に反発する現象を「デッドキャットバウンス」と呼びます。例えば、ある株が1日で20%下落した後、翌日に5%上昇するような動きです。

デッドキャットバウンスを利用して利益を得ようとするトレーダーもいますが、簡単ではありません。急落後の反発を見極めるのは難しく、誤った判断をすれば大きな損失につながる可能性があります。

本記事では、デッドキャットバウンスが起こる理由や、実際のチャートでの例を紹介します。また、デッドバウンスパターンを活用する3つの方法や、取引する際の具体的な注意点も紹介します。

まずは、デッドキャットバウンスの仕組みから解説していきます。

デッドキャットバウンスとは?

デッドキャットバウンスは、価格の急激な下落後に見られる一時的な反発現象を指します。トレーダーにとっては、この現象を正しく理解し、見極めることが非常に重要です。見分けることができれば、トレードの成功率を高めることができるからです。

今から、その仕組みを詳しく見ていきましょう。

仕組み

デッドキャットバウンスの仕組みは、急激な価格下落後に起こる一時的な反発現象です。

まず、価格が急落して多くのトレーダーの想定レンジを下回ると、短期的利益を狙う逆張りトレーダーが買いに入ります。同時に、下落相場で利益を得た売りトレーダーが、利益確定することも価格を上昇させる要因となります。

さらに、自動的なストップロス注文が一斉に発動し、急激な買い圧力を生み出すこともあります。これらの要因が重なり、一時的に価格が反発するのです。

しかし、デッドキャットバウンスは持続的な反転ではありません。根本的な問題が解決されていない場合、市場は再び下落トレンドに戻る傾向があります。「跳ね返り」と「再下落」のパターンが、死んだ猫が地面に落ちて跳ね返る様子に似ていることから、「デッドキャットバウンス」という名称が付けられました。

日本では「化け線」という名称で知られています。ローソク足分析の1つで、売りシグナルとされています。

予測が困難であり、市場状況、ニュース、投資家心理など複数の要因が複雑に絡み合って発生するため、経験豊富なトレーダーでさえ、難しい判断を迫られることになるのです。

具体例

下記は原油の日足チャートです。デッドキャットバウンスは株式相場や先物相場で多く発生する傾向があります。

原油が下落していた要因としては、原油需要が減少していることが挙げられます。産油国が減産しても、需要がそれ以上に減少すれば、原油価格は下落圧力を受けることになりますね。

85ドル台から75ドルまで下落しましたが、突然、大陽線が出現しました。デッドキャットバウンスの典型例といえます。

もちろん、中東情勢の悪化による原油供給懸念からの上昇とも考えられますが、どちらかというとストップロスが入ったことが要因と考えるのが自然です。

しかし、本当にトレンド転換するのか下落基調が継続するのかは、大陽線が出現した後のローソク足の動きを見る必要があります。上記の部分では、大陽線のあとに、2本のローソク足が出現し、安値を更新しています。

この形になれば、押し目買いをしていたトレーダーが損切りし、新規売りをするトレーダーが増えるため、より下落トレンドが強くなる傾向があります。

上記は鉄板パターンですので、覚えておくと、実際のトレードで活用できます。

デッドキャットバウンス活用手法

デッドキャットバウンスは、一時的な反発現象を利用して利益を上げるための絶好のチャンスです。しかし、その一時的な反発をどのようにトレードに活かすかが鍵となります。このセクションでは、デッドキャットバウンスを効果的に活用するための3つのトレード手法について詳しく解説します。

具体的には、以下の3つです。

  • バウンスを狙った逆張り戦略
  • バウンス後の再下落を狙った順張り戦略
  • バウンス後の反発を狙った逆張り戦略

これらの戦略を理解し、適切に活用することで、短期的なトレードチャンスを最大限に活かすことができます。それでは、戦略をひとつずつ詳しく見ていきましょう。

承知いたしました。ご指定の見出しと要点に基づいて、デッドキャットバウンスに関する記事を作成いたします。

バウンスを狙った逆張り戦略

デッドキャットバウンスを利用した逆張り戦略は、相場が急落した後の反発を狙う基本的な手法です。

相場が「恐怖」に支配されると、投資家の間で投げ売りが発生し、株価が過剰に値下がりすることがあります。これは一般的に「売られすぎ相場」と呼ばれる状況ですね。

売られすぎ相場かどうかはRSIやボリンジャーバンドで確認しましょう。

例えば、RSI(相対力指数)が30以下、特に25未満になった場合、相場が売られすぎの状態にあり、反発する可能性が高くなると考えられます。また、ボリンジャーバンドの-3σ線を下回った場合も、反発の可能性が極めて高いとされています。

上記はS&P500の日足相場です。

急落相場で大きく反発していますね。包み足が出現しています。初期の動きは同じですが、続くローソク足が陽線となっており下落せず、安値を更新する動きがありません。このようなパターンでは、デッドキャットバウンスではなく、相場の反転である場合が多いです。

売られすぎの相場ではオシレータ系の他に、ボリンジャーバンドを使うと、本当に反発するかどうかが見極めやすくなります。

ただし、ボラティリティが急上昇している場合は注意が必要です。エントリー後の損益変動幅が激しくなる可能性があるため、リスク管理が重要になります。

実際に、直近では日経平均株価が大暴落した後、翌日には過去最大の上げ幅を記録するという事例がありました。

バウンス後の再下落を狙った順張り戦略

デッドキャットバウンス後の再下落を狙う順張り戦略は、戻り売りと同じ考え方に基づいています。この戦略では、一時的な反発後に再び下落トレンドに戻る瞬間を捉えることが重要です。

フィボナッチリトレースメントを使用して反発の上限を予測できます。

特に50%(半値)付近でのエントリーがおすすめです。ただし、61.8%を超えた場合はトレンドが変わっている可能性があるため、戻り売りの場合は損切りを検討する必要があります。

上記はユーロ円の4時間足チャートです。大きな陽線が1本出現していますが、続くローソク足は2本とも陰線であり、安値を更新しています。もみ合いが数時間続きましたが、結局下落しました。下落する確率が相当期待できる相場だったと言えますね。

ボリンジャーバンドを活用する場合、バンドウォークが発生しているのであれば、-1σ線や-2σ線がエントリーポイントとして考えられます。反発後の最初の下落兆候でエントリーすることが重要です。

また、戻り高値の部分で、陰線の包み足宵の明星シグナルが出現していれば、反落する可能性が高いと判断できます。

バウンス後の反発を狙った逆張り戦略

デッドキャットバウンス後の更なる上昇を狙う手法もあります。

デッドキャットバウンスを形成したローソク足が陽線の包み足であったり、下ヒゲが非常に長いタクリ足である場合に検討できる戦略です。

上記はゴールドの日足チャートです。

激しく値下がりしており、何日も続落した相場ですが、200日移動平均線にぶつかり、ボリンジャーバンドの-3σ線で大きく反発しています。安値圏では「陽線の包み足」が発生していますね。

ボリンジャーバンドの-3σ線以内に価格が収まる確率は99.7%です。つまり、-3σ線を下抜けているというのは、全相場の中でわずか0.3%に該当する動きです。当然、反発が期待できます。

ダブルボトムやインバースヘッドアンドショルダーなどの反転パターンを確認できれば、上昇トレンドの初期段階でエントリーできる可能性があります。

本来、デッドキャットバウンスは「特に買い材料がない相場にもかかわらず、短期的に上昇する」状況を示唆します。そのため、この逆張り戦略は慎重に利用しましょう。

デッドキャットバウンスの注意点

デッドキャットバウンスを利用したトレードは大きな利益をもたらす可能性がありますが、同時にリスクも伴います。具体的には、以下の3つのポイントです↓

  • デッドキャットバウンスと本物の反発の区別が難しい
  • 市場の流動性が低下し取引が困難になる場合がある
  • 感情に流されやすい

 

今から、上記の3つの注意点を詳しく解説していきます。

さらに、それぞれの対策についてもお伝えします。デッドキャットバウンスのリスクを理解し、適切な対策を知り、トレードのリスクを最小限に抑え、成功確率を高めていきましょう。

デッドキャットバウンスと本物の反発の区別が難しい

デッドキャットバウンスと本物の反発は、最初の動きはほとんど同じです。そのため、見分けるのがとても難しいですよね。

見分ける方法としては、ファンダメンタルズが売りを示唆し、上昇する材料が特にないにもかかわらず反発している相場は、デッドキャットバウンスである可能性が高いと考えられます。

デッドキャットバウンスという用語は本来、株式相場で使用されていましたが、現在では他の金融市場にも適用されています。

ただし、急落している相場であっても、ストップロスによる反発や押し目買いの可能性も考慮する必要があります。デッドキャットバウンスと本物の反発の区別は、経験豊富なトレーダーも悩んでしまう動きなのです。

対策

デッドキャットバウンスと本物の反発を見分けるための対策として、いくつかのポイントがあります。

為替相場の場合、政策金利の方向性が重要な指標となります。該当国の通貨が買われやすいのか、売られやすいのかを考慮すれば、相場の方向性をより正確に予測できる可能性があります。

また、売られすぎ相場の場合、10日移動平均線(10MA)付近での価格の反応を観察すると有効です。価格が10MAを意識せずに上回れば、本格的な反転の可能性が高まります。

さらに、ダイバージェンスの発生も重要な指標となります。価格と各種オシレーター系指標が逆行している動きがあれば、トレンド転換の可能性を示唆しています。

これらの分析を組み合わせれば、デッドキャットバウンスと本物の反発をより区別できる可能性が高まるでしょう。

市場の流動性が低下し取引が困難になる場合がある

デッドキャットバウンス発生時、市場流動性が著しく低下し、取引が困難になる場合があります。この現象は主に株式相場で起こりますが、他の金融市場にも波及する可能性があります。

多くの投資家が空売りポジションを取ったり、買い控えをする状況下で問題が顕著になります。流動性低下はスプレッド拡大やスリッページ増加を招き、取引コストを上昇させます。また、価格の急激な変動も引き起こし、特に短期的なトレード戦略に大きな影響を与えます。

流動性低下は市場参加者全体にとって大きな課題です。取引執行の困難さに加え、価格の歪みや予期せぬ大幅な価格変動リスクも高まります。このような状況下では通常の取引戦略が機能しなくなる可能性があり、慎重な対応が必要です。

対策

まず出来高を確認し、流動性の高い銘柄を選択します。高流動性はスムーズな取引執行と適正な価格形成を促進します。

次に、板情報を活用して指値注文を上手く使い、希望する価格での約定率を高めましょう。

さらに、ポジションサイズを市場流動性に合わせて調整します。大きすぎるポジションは、低流動性市場では迅速な決済が困難になる可能性があります。

FX市場では、夏休暇や世界中が休日となるクリスマス、年末年始は相場が乱高下しやすくなります。実際、1月2日にドル円でフラッシュクラッシュが発生したことがありました。

FX市場は、1月中旬から3月上旬、4月~6月、9月~11月が最も取引量が多くなります。市場参加者が多いと、分析がしやすくなるでしょう。

感情に流されやすい

デッドキャットバウンスが発生する相場環境では、ボラティリティが高まり、損益変動幅が非常に大きくなります。この状況下では、数万円の含み益が出ていたと思ったら、数秒後には含み損になるといった激しい価格変動が起こりやすくなります。

また、ストップロス値までの幅が狭い場合、ポジションを保有してすぐにストップロスに達してしまうこともあります。

このような激しい相場の動きを目の当たりにすると、「ここでエントリーすればチャンスかも」と考え、通常よりも大きなポジションでエントリーしてしまう傾向があります。

市場の不安定さは、トレーダーを感情的にさせやすく、計画外の行動を引き起こす可能性があります。大抵の場合、冷静さを失った状況でエントリーしたポジションは一時的に利益をだせても、結果としては、大きな損失につながるリスクが高くなります。

感情に流されることで、リスク管理が疎かになったり、過度に積極的なポジションを取ってしまったりする危険性があります。

対策

対策として、まず、ボラティリティの大きい相場で常に損失を出してしまうトレーダーは、通常の取引口座とは別の口座を用意することをおすすめします。

この方法により、仮に大きな損失を被っても、メインの資金を守ることができます。

さらに、ボラティリティの大きい相場では、取引ロット数を固定し、EAなどの自動取引システムを活用して一定以上の損失となった場合に強制決済される仕組みを構築することも有効です。これにより、感情的な判断による過度のリスクを防げるでしょう。

また、取引前に明確な戦略とリスク管理計画を立てましょう。相場の変動に関わらず、この計画に忠実に従うことで、感情的な判断を最小限に抑えられます。

定期的に自身の取引を振り返り、感情がどのように判断に影響を与えたかの分析も有効です。自己分析を通じて、自身の弱点を認識し、改善策を講じることができます。

Threetraderでデッドキャットバウンスを活用

典型的なデッドキャットバウンスは、5本以上の大陰線による急落後に突如として大陽線が出現するパターンを示します。

ThreeTraderは、デッドキャットバウンス分析に役立つさまざまなサービスを提供しています。

毎朝の市場分析 や・毎週配信されるウィークリー分析により、最新の市場動向やファンダメンタル分析を入手でき、デッドキャットバウンスが発生しやすい市場環境を事前に把握できます。経済指標の発表予定や重要イベントの情報も提供されるため、急落や反発の可能性を予測しやすくなります。

さらに、Telegramチャンネルを通じてリアルタイムでデッドキャットバウンスの可能性があるシグナルを受け取れるため、タイムリーな取引判断が可能です。

ThreeTraderの狭いスプレッドと高い約定力は、デッドキャットバウンスのような急激な価格変動時に重要な役割を果たします。狭いスプレッドにより取引コストを抑えられ、高い約定力により反発や再下落の瞬間を逃さず取引できる可能性が高まるでしょう。

デッドキャットバウンス判断のポイントは「大陽線が出現した後のローソク足の動き」にあります。大陽線の後に大陰線が再び現れ、直近安値を下回る場合、下落トレンドが継続する可能性が高いと判断できます。

ただし、明らかな安値圏で出現した大陽線は、相場の転換点を示す可能性もあります。

ThreeTraderの複数の時間軸分析機能と、毎日配信される市場分析レポートを組み合わせることで、より正確な判断が可能になるでしょう。

売りポジションを保有している場合、転換点での決済判断に迷うかもしれません。ThreeTraderのリスク管理ツールと、Telegramで配信されるリアルタイムシグナルを参考にして、適切な利益確定ポイントやストップロスを設定することをおすすめします。

余裕があれば、大陽線出現後の2~3本のローソク足の動きを観察してください。続く2~3本のローソク足が安値を下回れば下落トレンドの継続、高値を更新すれば反転の可能性が高いと判断できます。

 

まとめ|デッドキャットバウンス

デッドキャットバウンスとは、価格が急激な下落後に一時的な反発を起こす現象を指します。具体的な例を挙げると、市場の混乱時に大きな下落を見せた株価が一時的に持ち直すが、再び下落を始めるケースが典型的です。

デッドキャットバウンスを活用する手法には、反発を狙った逆張り戦略、バウンス後の再下落を狙った順張り戦略、バウンス後の反発を狙った逆張り戦略があります。これらの戦略を使い分けることで、短期的な利益を狙うことができます。

しかし、デッドキャットバウンスには注意点も多く、まず本物の反発と区別が難しい点が挙げられます。対策としては、多角的な分析を行い、慎重に判断することが重要です。また、市場の流動性が低下し、取引が困難になる場合もありますが、流動性の高い銘柄を選ぶことで対処できます。さらに、急激な価格変動に感情が左右されやすいため、事前にトレードプランを立て、冷静に取引を行うことが求められます。

デッドキャットバウンスを理解し、適切な戦略を用いることで、短期的なトレードでの成功率を高めることができます。この記事で紹介した内容を元に、より慎重かつ効果的なトレードをぜひ実践してみてください。