FX基礎知識
Sep 10, 2024

フィボナッチアークとは?引き方と使い方【注意点も解説!】

「フィボナッチアークがいまいちよくわからない…特徴や使い方が知りたい…」と悩んでいる人は多いのではないでしょうか。フィボナッチアークは、テクニカル分析のツールの一つで、FX市場などの価格トレンドや転換点を予測するのに使われます。 

本記事では、フィボナッチアークの基本から応用までを詳しく解説します。フィボナッチアークの具体的な引き方や使い方を丁寧に説明するとともに、トレーダーが成功するためのコツや注意点も徹底解説。さらに、ThreeTraderのプラットフォームを活用する際の具体例も紹介します。 

この記事を読み終えることで、フィボナッチアークを理解し、市場の波に乗るスキルを向上させられるでしょう。新たなトレード戦略を知り、未来のトレードに活用しましょう。まずは、フィボナッチアークの特徴と利点を解説していきます。 

フィボナッチアークとは? 

フィボナッチアークは、FX市場などでの価格変動を予測するために用いられる強力なテクニカル分析ツールです。今から、フィボナッチアークの本質に迫り、その特徴と利点を紐解いていきます。フィボナッチアークの理解は、トレーダーにとって新たな視点を提供し、未来のトレードに活かす鍵となります。まずは、特徴から見ていきましょう。 

特徴 

フィボナッチアークは、FX相場での価格動きの分析する際に活用するフィボナッチツールの1つです。フィボナッチアークは、価格の高値と安値を結び、セミサークル(半円形)のラインを描くことで、将来におけるサポートやレジスタンスの位置を予想します。 

特に注目すべきは、38.2%、50%、61.8%といったフィボナッチ数列に基づく比率を使って相場のサポートラインやレジスタンスラインを事前に確認できます。 

下記はドル円の日足にフィボナッチアークを描画したチャートです。 

ドル円の日足でも、フィボナッチアークが意識されていますね。支持線や抵抗線だけでなく、次の相場が変動する範囲も事前に想定できるのはメリットです。右上では、100%を上回っており、新たな上昇基調が発生していることが確認できます。 

フィボナッチアークを適切に設定すれば、どこが抵抗線になるのか、支持線になるのかなどをあらかじめ想定できます。エントリーシグナルとしても活用できますし、利益確定の目安にも利用できるでしょう。 

ただし、半円形を正確に描くには、MT4で「スケール値」という設定を調整する必要があります。 

「スケール値」の設定項目には、ラインを引く始点と終点の間のローソク足の数を入力します。初期設定(デフォルト)は1に設定されており、直線が描画されてしまいますので、利用する前に設定の変更が必要です。 

フィボナッチアークを使えば、相場の流れが変わる可能性がある箇所や、トレンドが続く兆しを、目で見て確認できます。 

使用する利点 

フィボナッチアークを活用すると、FX相場で将来トレンドが変わる可能性のある重要な価格帯を早めに特定し、取引を計画的に実行しやすくなるのがメリットです。フィボナッチアークは、将来のサポートやレジスタンスの位置を視覚的に確認できるため、リスク管理もしやすくなります。 

さらに、フィボナッチリトレースメントやフィボナッチエクスパンションといった他のツールと組み合わせれば、分析の精度を向上できるでしょう。 

フィボナッチアークは基本的に、どの時間軸でも利用可能です。短期取引から長期取引まで、多様なスタイルに適応します。 

フィボナッチツールの中ではマイナーなツールかもしれませんが、半円を描くという特徴は、「相場の波」を捉えるのに有効です。これまで使用していなかった人も利用していなかった人も、ぜひ活用を検討してみましょう。 

フィボナッチアークの使い方(引き方) 

フィボナッチアークを正しく引くことで、市場の動向を読み解き、効果的なトレードのポイントを見つけられます。では、具体的にはどのようにラインを引き、アークを使えばよいのでしょうか?以下がその手順です↓ 

  1. トレンドを見つける 
  1. 安値と高値を基点にラインを引きアーク(弧)を描く 
  1. できたアークをもとに押し目買い・戻り売りを行う 

手順をひとつずつ詳しく見ていきましょう。 

トレンドを見つける 

フィボナッチアークを使い始める前に、相場がどのようなトレンドにあるのかをしっかり見極めることがとても大事です。相場が上昇トレンドにあるのか、下降トレンドにあるのかを確かめましょう。この分析は、フィボナッチアークを引く位置を決める際に必要になります。 

相場が明確なトレンドを示していない、または横ばいの状態である場合、フィボナッチアークを使うのは難しくなります。そんな時は、他の銘柄を探すか、別のテクニカル指標の使用を考えるといいでしょう。 

トレンドを探る方法には、移動平均線の利用があります。特に、長期トレンドを確認する際には、200日移動平均線や240日移動平均線をチェックするのが役立ちます。トレンドラインを引けるかどうかも、トレンドの有無を確認する上で重要です。 

日足チャートで明瞭なトレンドが見られる場合、フィボナッチアークを有効に活用できるチャンスです。フィボナッチアークの利用には、まず相場の流れを正確に把握することが基本です。トレンドを正しく把握できれば、フィボナッチアークを用いた取引で成功しやすくなります。 

安値と高値を基点にラインを引きアーク(弧)を描く 

フィボナッチアークを描くステップは、まず相場のトレンドを把握し、最低点と最高点を特定することから始めます。これらの点は、アークを描くためのスタート地点です。 

また、フィボナッチアークを使用する際には、スケール値を調整する必要があります。デフォルトでは半円を描けないので、「高値と安値の間のローソク足の本数」を、フィボナッチアークの設定項目「スケール値」に入力してください。 

次に、安値と高値を基にして、フィボナッチアークを引きます。このアークは、38.2%、50%、61.8%のフィボナッチ比率で描かれ、これらは将来サポートやレジスタンスが現れる価格帯を予測します。 

この方法で、トレーダーは相場の未来の動きを予測するのが容易になります。アークが示すレベルを見ることで、エントリーや決済のタイミングをより上手に決められるようになるでしょう。 

できたアークをもとに押し目買い・戻り売りを行う 

フィボナッチアークを使った後、そのアークが示す価格帯に注意しましょう。これらの価格帯は相場においてサポートやレジスタンスの働きをする場合があります。価格がアークに触れるか、近づくタイミングが取引のチャンスになります。 

リトレースメントやエクスパンションの支持線・抵抗線は横線ですが、フィボナッチアークは半円であるため、潜在的な支持帯・抵抗線を把握できるのもメリットです。 

相場が上昇トレンドのとき、価格がアークのサポートレベルに到達したら、押し目買いができるか検討します。反対に、相場が下降トレンドのとき、価格がアークのレジスタンスレベルに達したら、戻り売りを検討できます。 

しかし、フィボナッチアークの情報だけで決断するのではなく、他のテクニカル指標やチャートパターンと併用することが重要です。フィボナッチリトレースメントやRSI、主要な移動平均線などが同じ価格帯で推移していると、反発・反落する確率も上がります。 

フィボナッチアーク手法のコツ 

フィボナッチアークを使いこなすためには、いくつかの重要なコツがあります。具体的には、伸びる相場での活用、アークの範囲の意識、そして他のテクニカルツールとの組み合わせです。これらのコツを理解することで、トレーダーはフィボナッチアークをより効果的に活用し、市場の波に乗るスキルを向上させられます。 

各コツを詳しく解説します。 

伸びる相場で活用する 

フィボナッチアークは、はっきりした上昇トレンドや下降トレンドがある相場で特に効果的です。アークが示すサポートやレジスタンスは、価格反転の可能性が高いポイントとして役立ちます。また、伸びる相場を見つける方法として、通貨ペア同士の銘柄間の関係や通貨の強さを分析することがあります。 

ドルインデックスが上昇している場合、ドルの価値が強まっていることを意味し、ドルを基準にした通貨ペアではドル買い方向に推移しやすくなります。例えば、ドル円であれば、上昇トレンドになる可能性が高いです。 

明確なトレンドがある相場でフィボナッチアークを使用すると、分析の信頼性が向上します。そのため、相場のトレンド方向をしっかり分析し、フィボナッチアークを適用することが大事です。トレンドが始まる初期にフィボナッチアークを描くと、トレンドの持続や反転を早く察知でき、取引のタイミングを正確に決めやすくなります。 

ラインだけでなくアークの範囲も意識する 

フィボナッチアークを使用する際は、ラインだけではなく、アークが形成する範囲全体に注意を払うことが重要です。アーク内に価格が留まれば、そのエリアが強力なサポートやレジスタンスとして機能する可能性が高くなります。 

アークの範囲に注目することで、価格が特定のレベルに触れるだけではなく、その範囲内でどのように動くかも分析できます。これは取引の正確性を高めるのに役立ちます。 

価格がアークの範囲を超えて動く場合、それはトレンドの強さや相場の流れに関する重要な情報を提供します。そのため、アークを越える価格の動きにも気を配る必要があります。フィボナッチアークの範囲をうまく利用することで、相場での成功につながります。 

フィボナッチエクスパンションなど他のツールと併用する 

フィボナッチアークと共に、フィボナッチエクスパンションやフィボナッチリトレースメントなどの他のツールを組み合わせることもおすすめです。これにより、相場分析がさらに精密になります。移動平均線やMACDなどのテクニカル指標と組み合わせると、トレンドの確認や取引のタイミングをより簡単に見つけられます。 

下記はゴールドの日足チャートです。 

大きな視点のフィボナッチアークと併用して、フィボナッチエクスパンションが描画されています。フィボナッチアークは表示する範囲が広いため、よりエントリーポイントを絞り込むためにエクスパンションも活用できるでしょう。 

高値付近を見ると、アークの161.8%ラインに反応しており、エクスパンションの100%、61.8%も強く意識されていることが分かります。 

また、取引で押し目買いや戻り売りを狙う時には、ローソク足のパターンに注目すると良いでしょう。これは相場の反転点を見極めるのに役立ちます。 

様々なツールを組み合わせて相場を分析すると、一つの指標だけに頼らずに、より包括的な視点から相場を読み解くことが可能になり、取引の成功率を高めることができます。 

フィボナッチアークの注意点 

フィボナッチアークは強力なツールですが、注意が必要なポイントも存在します。以下がその注意点です↓ 

  • スケールの設定によりアークを描かない場合がある 
  •    
  • チャートの縮尺を変えるとラインがずれる場合がある 
  •    
  • 絶対ではない 

上記のポイントに注意することで、フィボナッチアークの機能不全を回避し、効果的に活用できるようになります。それぞれの注意点を詳しく見ていきましょう。 

スケールの設定によりアークを描かない場合がある 

フィボナッチアークを正しく描くためには、スケールの設定がとても重要です。デフォルトではスケールは「1」になっていますが、これを安値と高値の間のローソク足の数に調整する必要があります。ローソク足の数を確認するには、チャート上で十字カーソルを使って安値のローソク足から高値のローソク足までドラッグし、情報タブでローソク足の数を確認します。 

このスケールを適切に設定することで、アークが価格の動きに沿った形で表示されます。最高値と最低値の間の正確な距離が、期待通りのアークを得るためには必要です。チャートの時間軸を変えるとローソク足の数も変わりますから、その都度スケールの調整が求められます。一定の時間軸で作業をすると、このような調整を避けられます。 

アークを描く前にスケール設定を見直し、必要に応じて調整しましょう。これでフィボナッチアークをもっと効果的に活用できるようになります。 

チャートの縮尺を変えるとラインがずれる場合がある 

フィボナッチアークを使用する時、チャートの縮尺を変えると、アークの位置が予想外に動くことがあります。これは、表示する範囲を調整することで、最高値と最低値の関係が変わるからです。時間軸や視野を変更するときは、スケール値もその都度、調整する必要があります。 

縮尺を変更した後は、アークの位置を改めて確認し、適宜、調整しましょう。デフォルトでは38.2%、50%、61.8%のラインが表示されますが、100%や161.8%、256.8%のように、他のレベルも自由に追加することが可能です。これを利用すると、チャートからさらに多くの情報を得られ、相場の分析が深まります。フィボナッチアークを効果的に使うには、これらのポイントに気をつけて、柔軟に対応することが重要です。 

絶対ではない 

フィボナッチアークは相場の動きを予測するツールですが、絶対的なものではありません。このツールが示すレベルで価格が反転する保証はなく、予測が外れることもあります。そのため、フィボナッチアークを他のテクニカル分析ツールやファンダメンタル分析と組み合わせて使い、取引戦略を立てることが推奨されます。 

また、取引は慎重に行い、リスク管理の一環としてストップロスの設定を忘れないようにしましょう。 

フィボナッチアークを設定する際には、以前にそのアークが相場で重視されたかどうかを確認すると良いでしょう。最近の相場で特定のレベルが重視されていた場合、そのレベルが再び注目される可能性が高くなります。フィボナッチアークと他の情報を組み合わせることで、より信頼性の高い取引判断を下すことができるようになります。 

Threetraderでフィボナッチアークを活用 

ThreetraderのMT4でフィボナッチアークを描いてみましょう。これが相場の分析を深める第一歩です。トレンドが続くかどうかを見極めるには、通貨ペアの関連性や各通貨の強さ、そして移動平均線をチェックすると良いでしょう。また、Threetraderが毎日提供するマーケットレポートも参考になります。 

相場のトレンドを分析する際、フィボナッチアークがどう役立つかを把握することが大事です。特に、上昇トレンドや下降トレンドで、アークがサポートやレジスタンスとしてどのように機能するかを理解するようにしましょう。 

Threetraderでフィボナッチアークを使う際の注意点もあります。チャートのスケール設定を変えると、アークの形が変わる可能性があります。スケールの設定やチャートの縮尺を変えた時に、アークの形がどう変化するかを確認すると良いでしょう。これらの基本を理解することで、フィボナッチアークを相場分析にうまく取り入れられるようになります。 

まとめ|フィボナッチアーク 

この記事では、フィボナッチアークの基本的な使い方から注意すべきポイントまでを詳細に解説しました。フィボナッチアークは、相場のトレンドや転換点を把握するのに役立ち、トレード戦略に活かせます。 

トレンドの発見から安値と高値を基にしたアークの引き方、そしてそれを具体的なトレード戦略に結びつける方法まで、ステップバイステップで説明しました。 

注意すべきは、スケールやチャートの変更がアークに影響を与える可能性があること、そしてフィボナッチアークが絶対的なものではないという点です。これらの要点を理解することで、トレーダーはフィボナッチアークを効果的に利用し、市場の波に乗るスキルを向上させることができます。 

フィボナッチアークを使いこなすには、実践練習も不可欠です。この記事で学んだ知識や手法を早速試し、実践的なスキルを今から身につけ、利益を最大化させましょう。