FXでは、お金を増やすチャンスがある一方で、常にリスクも存在します。しかし、正しい方法を知っていれば、大きな危険を避けながら安定して取引できます。
特に、経済ニュースが発表された直後や市場が開いたばかりの時間帯は、為替レートが急に変動しやすいです。そのようなときに冷静な判断をしないと、大きな損失につながることがあります。
そこで大切になるのが、「リスクを抑えたトレード」という考え方です。
これは、相場が激しく動きやすい時間帯を避け、落ち着いて判断できる場面で取引するという意味です。
例えば、値動きが小さい時間帯を選んだり、あらかじめ決めたルールを守って取引することで、不要なリスクを減らし、長く安定してトレードを続けることができます。
この記事では、リスクを抑えたトレードの重要性と、その具体的な方法をわかりやすく解説します。無駄な損失を減らしながら、安全に利益を狙うためのポイントを一緒に学んでいきましょう!
指標発表やマーケットオープン時のトレードが危険な理由
経済指標(景気や雇用などのデータ)を発表した直後や、市場(マーケット)が開いた直後は、為替レートが急に動きやすく予測が難しくなります。これは、多くのトレーダーが発表された数字を見てすぐに注文を出すため、買いたい人と売りたい人のバランスが急激に崩れてしまうからです。
また、自動売買プログラム(アルゴリズム)も一斉に取引を始めるため、わずか数秒の間に価格が大きく動くことがあります。もし、思った方向とは逆に動いた場合は、一気に損失が増えるリスクが高まるのです。
価格が大きく動く
指標発表やマーケットオープン時は、トレーダーの注文が集中し、価格が急変します。この変動は、大口投資家や自動売買プログラムの影響で、短時間に大きな値動きが起こる場合があります。
例えば、米国の「雇用統計」発表後、多くのトレーダーが「良い結果ならドルが上がる」と考え買い注文を出します。しかし、市場が既にその結果を織り込んでいると、期待と逆に価格が動くこともあります。こうした急激な変動は、初心者にとって非常に危険です。
事前に予測していても、実際の相場は思い通りに動かないため、短い時間で大きな損失を出す可能性があります。
- 指標発表の時間を把握し、その時間帯の取引は避ける
- どうしても取引する場合は、小さなポジションで慎重にエントリーする
- 発表直後の値動きが落ち着くまで待ってから取引する
取引コスト(スプレッド)が高くなる
スプレッドとは、FXの売値(Bid)と買値(Ask)の差です。
市場が落ち着いているとスプレッドは狭く、取引コストも低いですが、荒れた市場ではスプレッドが急拡大します。
例えば、通常0.5pipsのスプレッドが、指標発表時には5pips以上に広がるケースがあります。これは、取引コストが10倍に跳ね上がることを意味します。その結果、エントリー(買いや売り)した直後に、すでに大きな損失を抱えてしまいます。
取引直後に損失が出る可能性があります。特に短期売買(スキャルピング)では、わずかな価格差が収益に直結するため、スプレッド拡大は致命的です。
- 指標発表前後の取引は控え、スプレッドが安定している時間を選ぶ
- スプレッドが狭いFX業者を選ぶ
- スプレッドが広がったときは無理に取引しない
関連記事)スプレッドの仕組みを理解しよう!広がる理由とThreeTraderの強みとは?
損切りが機能しにくい
スリッページとは、設定した損切り価格よりも不利な価格で決済される現象です。
例えば、「-10pipsで損切り」と設定していたのに、実際には「-15pips」で決済されることがあります。これは、市場が急激に動いたときに、設定した価格で注文を成立させるのが難しくなるためです。
固定スプレッドを提供しているブローカーでも、変動制スプレッドを提供しているブローカーを含む、ほぼすべてのブローカーで指標発表直後にはスプレッドが大きく拡大します。
ThreeTraderは市場価格をそのまま配信する仕組みであるECN方式を導入しているため、市場価格の売り価格と買い価格の差が開くほど、ThreeTraderのスプレッドも拡大します。
- 損切り設定を少し広めに設定し、急変動の影響を受けにくくする
- 価格が大きく動く時間帯の取引を避ける
感情的なトレードになりやすい
相場が急に上がると「もっと上がるかもしれない!」と焦って買いたくなり、逆に急に下がると「このままでは損をする!」と不安になって売ってしまうことがあります。こうした感情に任せたトレードは、冷静な判断を失わせ、結果的に損失を増やす原因となります。
特に、一度損失を出してしまうと「負けを取り返したい!」という心理が働き、無計画にトレードを繰り返してしまうことがあります。これを「オーバートレード」といい、さらに損失を拡大させる原因になります。
- 事前にトレードルールを決めて、それを厳守する
- トレード後に振り返りを行い、感情的になっていなかったか確認する
- 負けた後はすぐに取り返そうとせず、一度冷静になる時間を持つ
リスクを抑えたトレードをするための基本ルール
FXで利益を狙うには、できるだけリスクを抑えたトレードが大切です。特に初心者は、無計画なトレードが大きな損失につながる可能性があります。この章では、安定して資金を守るための基本ルールを紹介します。
価格が安定している時間帯を狙う
FX市場では、時間帯によって価格の動きが大きく変わります。
市場が活発な時間は、短期間で利益を狙える反面、損失も出やすいです。特に初心者は、価格の動きが落ち着いている時間帯を選べば、無駄なリスクを抑えられます。
【おすすめの時間帯】
- アジア市場(午前~昼):価格の変動が比較的小さく、安定しやすい
- ニューヨーク市場が落ち着く深夜:大きな動きが少なく、予測しやすい
アジア時間~ロンドン時間~ニューヨーク時間は相場参加者が多いため、スプレッドは安定しています。
米国の経済指標が多く発表される夜の時間帯は要注意です。
特に、日本時間の22:30分(夏時間:21:30)から深夜にかけては重要経済指標が発表されるので、ThreeTraderが提供するウィークリーレポートであらかじめスケジュールを確認しておきましょう。
ルールを決めて感情的なトレードをしない
トレードでは、冷静な判断が非常に大切です。
しかし、多くの人は「今なら大きく儲けられるかも!」と考え、勢いでエントリーしてしまう場合があります。その結果、期待通りに動かず損失が増え、冷静さを失って無計画なトレードを続けるケースも見られます。
トレードルールの例
- エントリー条件を決める(例:○○円を超えたら買う)
- 利益確定のタイミングを決める(例:10pipsの利益が出たら決済)
- 損失が出たときのルールを決める(例:チャネルブレイクアウトで損切り)
ルールを守れば、感情に流されずにトレードできます。最初は「もったいない」と感じるかもしれませんが、長期的な安定を得るためには、ルールを守ることが一番大切です。
ポジションを持つ前に、利益確定やストップロスポイントを決めておくと慌てずに対処できます。
「もう少し待てば戻るかも…」という考えで、損切りをしないのはNGです。
トレードでは、利益を出すこと以上に、損失を最小限に抑えることが成功のカギとなります。
ストップロス(損切り)の設定方法
- 価格の変動(ボラティリティ)に応じて設定する
- 固定幅で設定する(例:-20pipsで損切り)
ストップロスを決めておけば、感情に流されず、大きな損失を防げるでしょう。また、一度決めたストップロスを安易に変更しないようにします。
「もう少し待てば戻るかも…」と考えてしまうと、損失がどんどん大きくなってしまいます。
相場の流れに逆らわず、トレンドに従う
「安くなったから買う」「高くなったから売る」といった逆張りのトレードは、初心者にとってはリスクが高い取引方法です。価格の流れ(トレンド)に従って取引すれば、リスクを抑えながらトレードできます。
トレンドフォローのポイント
- 上昇トレンドなら「押し目買い」 → 少し下がったところで買う
- 下降トレンドなら「戻り売り」 → 少し上がったところで売る
トレンドに逆らわずに取引すれば、勝率を上げやすくなり、無駄な損失を減らせます。無理に逆張りでエントリーせず、相場の流れに素直に従うことが、安定した利益につながるのです。
実践的なリスク管理手法
FXで安定して利益を出し続けるためには、リスク管理が非常に重要です。
どんなに優れたトレード戦略を持っていても、リスク管理が甘いと、一度のミスで大きな含み損となってしまいかねません。
特にFXは価格の変動が激しく、予測しにくい場面が多いため、リスク管理の徹底を意識してください。ここでは、トレードのリスクを抑えるための3つの重要なリスク管理手法を紹介します。
無理のないロットサイズで取引する
「もっと大きく儲けたい!」という思いで、一度に大きなロットで取引するのは危険です。トレードでは、1回ごとにどれだけの資金をリスクをとるのか、あらかじめ決めておきましょう。
安全なロット管理の目安
資金の1〜2%以内にリスクを抑える
(例:10万円の資金なら、1回のトレードで1000~2000円の損失まで)
このルールを守れば、連敗しても資金がゼロになるのを防げます。資金管理をしっかり守れば、長くトレードを続けやすくなります。
FXでは、少ない資金で大きな取引ができる「レバレッジ」という仕組みがあります。
レバレッジを使えば、少額の資金でも大きなリターンを狙えるというメリットがありますが、反対に、価格が少し動いただけで大きな損失が出るリスクも伴います。
ThreeTraderでは、Pureスプレッド口座・RawZero口座ともに、最大1,000倍のレバレッジを提供しています。
ウィークリーレポートで重要経済指標を確認する
FXでは、経済指標の発表によって市場が大きく動くことがよくあります。
例えば、アメリカの雇用統計や金利発表があると、価格が一瞬で数十pips以上動くこともあります。こうした経済指標の発表タイミングを知らずにトレードすると、思わぬ大きな損失を出してしまう可能性が高いです。
経済指標のリスクを抑える方法
- 重要な指標発表の前後は、トレードを控える
(例:米国雇用統計の前後30分は取引しない)
- 経済指標カレンダーを事前にチェックし、リスクの高い時間帯を把握する
- どうしても取引する場合は、ストップロスを広めに設定しておく
チェックすべき指標の例
- 米国雇用統計(毎月第1金曜日) → 価格が大きく動きやすい
- FOMC政策金利発表 → 米ドル関連の通貨が大きく変動
- 消費者物価指数(CPI) → インフレの影響で相場が動く
例えば、米国雇用統計が発表されると、ドル円が一瞬で100pips以上動くケースもあります。
このような時間帯に何も知らずにエントリーすると、気づいたときには損失が大きくなっている場合もあります。
ThreeTraderは毎週日曜日にウィークリーレポートを配信しています。重要経済指標に絞り、注目のファンダメンタルや通貨ペアの分析をしていますので、1週間の取引の前に重要経済指標のスケジュールを確認できます。
分割決済で利益を確保する
FXでは、「もっと利益を伸ばしたい!」と思っているうちに、価格が反転して利益が減ってしまう経験をした人は多いのではないでしょうか。
こうした状況を避けるために有効なのが、「分割決済」という手法です。
分割決済とは?
- 利益がある程度出たら、一部のポジションを決済して利益を確定する
- 残りのポジションは、ストップロスを建値(エントリー価格)に移動
- 利益を確保しつつ、相場がさらに伸びたときも利益を狙える
分割決済の例
① +20pipsでポジションの半分を決済し、利益を確保
② 残りのポジションはストップロスを建値(エントリー価格)に移動
③ その後、価格がさらに伸びたら追加で決済し、最大限の利益を狙う
この方法を使うと、「せっかく利益が出ていたのに、結局損をした…」という状況を防げるでしょう。また、利益確定を複数回に分けることで、相場の動きをうまく活用できるというメリットもあります。
FXでは、価格が急に反転するケースがよくあるため、一部の利益を確保しつつ、残りのポジションでさらに利益を狙う戦略が効果的です。
リスクを抑えたトレードが長期的な成功につながる
FXで利益を出すには、リスク管理が重要です。
経済ニュース発表直後や市場オープン時は、値段が急激に変動し、予想外の損失を招く場合があります。
例えば、多くの注文が同時に入ると値段が急に動いたり、取引手数料(スプレッド)が拡大したりします。また、感情に流されると無計画なエントリーに繋がり、損失が増えやすくなります。
そこで、あらかじめ「1回の取引は資金の1〜2%以内の損失に留める」と決め、落ち着いた時間帯に取引するよう心掛ける必要があります。
さらに、利益が出た際は少しずつ決済し、確実に利益を確保する方法が効果的です。