FX基礎知識
Sep 19, 2024

エリオット波動が使えない原因5つ【対策と活用手法】

エリオット波動理論は、その高度な予測力で多くのFXトレーダーに支持されていますが、「エリオット波動が使えない」と感じる方も少なくありません。本記事では、その原因を徹底的に解明し、実際に効果的に活用するための具体的な対策と手法を詳しく紹介します。

原因を理解し、適切な対策を講じることで、エリオット波動は実践に活かすことができます。この記事を読むことで、エリオット波動を活用する具体的なステップがわかり、トレードの成功率を高めるための実践的なアプローチを身につけることができるでしょう。

さっそく、エリオット波動が使えない原因を詳しく解説していきます。

 

エリオット波動が使えない原因

多くのトレーダーがエリオット波動を活用しようと試みるものの、うまく機能しない場合があります。その原因は以下です↓

 

  • カウントが主観的な判断に依存している
  • 経験とスキルを必要とする
  • 市場のノイズが多いと機能しにくい
  • 市場の流動性が低いと機能しにくい
  • 予測が過去のパターンに基づいている

エリオット波動がなぜ期待通りに機能しないのか、その根本的な原因を詳しく見ていきましょう。

 

カウントが主観的な判断に依存している

FXやCFD市場でエリオット波動を使おうとすると、まず直面するのがカウントの主観性問題です。24時間動き続ける為替市場で、どこが波の始まりで終わりなのか、客観的に判断するのは至難の業です。

同じチャートを見ても、トレーダーによって全く異なる解釈が生まれます。

あるトレーダーはドル円の上昇トレンドで5波完了を判断し、逆張りで売りエントリーを仕掛けるかもしれません。一方、別のトレーダーは3波の途中と判断し、さらなる上昇を狙うかもしれません。

このような主観的な判断の違いは、特にレバレッジの高いFXやCFD取引では致命的なリスクとなりかねません。明確な基準がないため、見解の違いが発生してしまいます。

客観的な判断基準がない以上、エリオット波動を信頼して大きなポジションを取ることは非常に危険です。

経験とスキルを必要とする

エリオット波動理論は、一見するとシンプルで魅力的に見えますが、実際にFXやCFD取引で利益を上げるレベルまで使いこなすのは、非常に難しいでしょう。基本的な波の形は覚えられても、実際の動いている相場で正確に波を識別し、次の動きを予測するには豊富な経験が必要です。

テキストブックに載っているような理想的なパターンを実際の相場で見つけようとしても、綺麗な波を形成する相場はほとんどありません。理論通りにはいかないため、応用力が必要です。

ユーロ円やポンド円などの合成通貨ペアでは2つの通貨の動向に影響されるため、エリオット波動の波が見つけにくくなります。結局のところ、エリオット波動を使いこなせるようになる前に、多くのトレーダーは資金を失ってしまう人が多くいます。

市場のノイズが多いと機能しにくい

FXやCFD市場は、経済指標の発表や政治イベント、要人発言によって瞬時に大きく動くことがあります。このような急激な価格変動は、エリオット波動理論が想定する自然な市場の律動を崩してしまいかねません。

例えば、米国の雇用統計発表直後のドル円相場や、OPEC会合後の原油CFDの動きを、エリオット波動で説明するのは非常に難しいでしょう。たとえ上昇相場の途中で3波を形成している途中であっても、結果次第では相場転換するかもしれません。

ノイズの多い相場でも、波動パターンはみられますが、他のテクニカル指標と合わせて分析する必要があります。

エリオット波動のみで取引をしようとすると、判断が一貫せず、エントリーができなくなってしまう可能性もあります。エリオット波動は環境認識をする時に役立ちますが、実際のエントリーでは別のテクニカル分析を利用する必要があるでしょう。

市場の流動性が低いと機能しにくい

マイナー通貨ペアや一部のCFD商品では、流動性の低さがエリオット波動の適用を困難にします。

例えば、クロス円通貨ペアは、主要ペアに比べて取引量が少ないため、価格の動きが不規則になりやすいです。合成通貨ペアであるため、関係するドルストレート通貨ペアによって、トレンドが形成されたり、すぐに相場転換するなど不安定な動きが多くなります。

新興国通貨など市場の流動性が低い通貨ペアや銘柄は、ヘッジファンドや大口投資家の影響を受けやすくなります。また、該当国の祝日、クリスマスや年末年始などの長期休暇などは、セオリーどおりに動かない可能性が高いため、注意が必要です。

エリオット波動は、多くのトレーダーが意識するかどうか、が重要なポイントです。

予測が過去のパターンに基づいている

「過去のチャートを見ると、エリオット波動がピッタリ当てはまる!」

そう思って、いざ実際のトレードで使ってみると、全然違う展開になってしまった経験はありませんか?  

確かに、過去のチャートを振り返ると、波動がきれいに見えることがあります。でも、それは後付けの解釈です。

リアルタイムの相場で同じようにうまくいくとは限らないんです。

FXやCFD市場は日々進化しています。アルゴリズム取引が相場を動かし、中央銀行の一言で為替が乱高下する時代です。

結局のところ、過去のパターンに固執すると、目の前の相場の動きを見逃してしまう危険があります。むしろ、現在の市場環境をしっかり理解し、柔軟に対応していく姿勢が大切です。

エリオット波動理論では、大きな相場の流れは分析できますが、実際のエントリーなどの判断は他のテクニカル指標と組み合わせる必要があるでしょう。

 

エリオット波動が使えない原因への対策

エリオット波動が使えない原因がわかれば、後は対策を取るだけです。では具体的には、どのような対策を講じればよいのでしょうか?その方法は以下です↓

 

  • 実践的な経験を積む
  • 適切な市場を選ぶ
  • 他のテクニカル分析やファンダメンタル分析を併用する

 

上記の対策により、エリオット波動理論をより実践的に使いこなし、トレードのパフォーマンスを最大化できるようになるでしょう。ひとつずつ、詳しく解説していきます。

 

実践的な経験を積む

エリオット波動理論を本当に使いこなすには、実践的な経験が不可欠です。でも、実際のお金を使ってトレードするのは怖い...そう思っている方も多いのではないでしょうか?

そんな方にぴったりなのが、ThreeTraderのデモ口座です。このデモ口座を使えば、実際の市場と同じ環境で、リスクゼロでトレードの練習ができます。

ThreeTraderのデモ口座の特徴は、リアルタイムの市場データを使用していること。つまり、本物の相場の動きをチャート上で体験できます。これにより、エリオット波動のパターンを実際の市場環境で見つける練習ができます。

波動のカウント方法や、各波の特徴を理解する。エントリーポイントやイグジットポイントを特定する。そんな重要なスキルを、リスクなしで磨けるのです。

さらに、異なる時間枠でのパターンの現れ方や、様々な通貨ペアでの波動の違いも学べます。エリオット波動理論の実践的な理解を深めるには、ThreeTraderのデモ口座がおすすめです。

適切な市場を選ぶ

「エリオット波動って、どんな通貨ペア・銘柄で使えばいいの?」

多くの方がこんな疑問を持っているのではないでしょうか。実は、エリオット波動理論が効果を発揮する銘柄には、はっきりとした特徴があります。

エリオット波動分析がしやすい、私のおすすめ銘柄は次の3つです。

  1. ドル円(USD/JPY)
  2. 金(ゴールド、XAU/USD)
  3. ユーロドル(EUR/USD)

なぜこれらの銘柄がおすすめなのでしょうか?

理由は、取引量が非常に多く、はっきりとしたトレンドが形成されやすいからです。また、世界中の多くのトレーダーがこれらの銘柄を取引しているため、市場の動きがエリオット波動の理論とマッチしやすいのです。

ThreeTraderでは、これらの人気銘柄のスプレッドが非常に狭くなっています。つまり、取引コストが低く抑えられるため、エリオット波動を使ったトレードでより多くの利益を得やすいです。

他のテクニカル分析やファンダメンタル分析を併用する

エリオット波動理論をより効果的に活用するコツは、他の分析手法と組み合わせることです。特に、押し安値・戻り高値を見つけることで、波動の分析が格段にしやすくなります。

例えば、移動平均線やRSIを使って、トレンドの方向性や売られすぎ・買われすぎの状態を確認しましょう。これらの指標は、押し目や戻りのタイミングを見極めるのに役立ちます。

押し安値・戻り高値の見つけ方や具体例については、押し安値・戻り高値解説しています。

また、フィボナッチリトレースメントを使えば、調整波の到達点を予測しやすくなります。これは、エリオット波動の2波や4波の終点を見極める際に特に有効です。(次の見出しで解説)

ファンダメンタル分析も忘れずにしましょう。重要な経済指標の発表や中央銀行の政策変更は、新しいトレンドが形成され、エリオット波動の第一波となる可能性があります。

エリオット波動を活かした手法

エリオット波動をトレード手法に活かせば、成功率を効果的に高めることができます。しかし、エリオット波動をどのように活用すればよいのでしょうか?その方法を今から解説していきます。

具体的には、推進3波を狙ったトレード、フィボナッチエクスパンションを活用したトレードの3つの手法に焦点を当てます。実践的なスキルを身につけられるよう、各手法の具体例も紹介します。

まずは、推進3波を狙ったトレードから詳しく見ていきましょう。

推進3波を狙ったトレード

今から「推進3波を狙うトレード」を紹介します。

推進3波とは、簡単に言うと、トレンドが転換して、押し目を形成した後に出現する、勢いのある大きな波のことです。推進3波は、一気にグッと相場が動く段階なので、注目です。

推進3波の特徴:

  • トレンドが一気に勢いよく進む
  • ボリンジャーバンドが上下に広がる傾向
  • 一目均衡表で三役陽転など、上昇(下降)シグナルが出やすい
  • 陽線(陰線)が連続しやすい

これらの特徴があるので、1波と2波が見つかると、推進3波は比較的トレードしやすいでしょう。

トレードの流れは以下のとおりです。

  1. トレンド転換を確認(前の高値/安値を突破)
  2. 小さな調整(押し目/戻り)を待つ
  3. 再びトレンド方向に動き出したらエントリー
  4. ボリンジャーバンドの広がりや、一目均衡表のシグナルで確認

推進3波を狙うトレード方法のメリットは、大きな値動きを捉えられる可能性が高いこと。リスクを抑えつつ、大きな利益を狙えるチャンスがあります。

具体例

具体例を考えていきましょう。

下記はドル円の日足チャートです。

2024年1月から7月までドル円は大きな上昇トレンドを形成しました。「日米金利差拡大」という明確なファンダメンタル材料があり、円安ドル高となりましたね。

形成された上昇トレンド相場で、エリオット波動の上昇5波が出現してます。①で示した部分が「推進3波」に該当します。

「推進3波」は5波の中で最も長い相場となり、3波を獲得できると、利益幅も大きくなります。

上記の相場では、推進3波は146円から160円の1400Pipsです。160円付近で為替介入が実施され、大きく下落しました。次の見出しで解説するフィボナッチエクスパンションを利用すると、推進3波がどこまで伸びる可能性が高いのかを予想することが可能となります。

フィボナッチ・リトレースメントを利用したトレード

エリオット波動とフィボナッチ・リトレースメントを組み合わせると、より精度の高いトレードが可能になります。特に2波や4波の戻り幅を予測するのに役立ちます。

フィボナッチ・リトレースメントは、相場の戻り幅を予測するツールです。主に23.6%、38.2%、50%、61.8%のラインが使われます。エリオット波動では、2波は1波の38.2%〜61.8%まで戻ることが多い傾向です。

使い方は以下のとおりです。

  1. 1波の始点から終点にフィボナッチ・リトレースメントを引く
  2. 38.2%〜61.8%のゾーンに注目
  3. リトレースメントで反発を確認する

ThreeTraderのチャートツールを使えば、簡単にフィボナッチ・リトレースメントを引けます。複数の時間軸で確認すると、より信頼性の高いエントリーポイントを見つけられるでしょう。

具体例

フィボナッチリトレースメントをエリオット波動とどのように組み合わせるのでしょうか?答えは、押し安値・戻り高値がどこで形成されるかを予想するときに活用します。

下記はドル円の日足チャートで、129円から145円で推進3波が形成されています。

推進3波であっても、細かくみると、小さな押し安値が形成されていますね。大きな視点で見ると、一方向に動いていますが、より小さな視点で見ると、押し安値を形成しながら上昇していることが分かります。

フィボナッチリトレースメントを描画すると、押し安値が形成される確率の高い価格帯が浮かび上がってきます。

①の部分では、23.6%に該当する133円が支持線となり反発しています。

②の部分では、50%に該当する138.50円が意識され反発し、145円まで一気に上昇しています。

フィボナッチリトレースメントを描画すると、押し安値・戻り高値が形成されやすい価格帯に指値注文を設定し、できるだけリスクの低い価格帯でエントリーできます。

フィボナッチ・エクスパンションを活用したトレード

エリオット波動理論をより効果的に活用したい方には、フィボナッチ・エクスパンションがおすすめです。特に3波の到達点を予測するのに非常に役立ちます。

フィボナッチ・エクスパンションは、相場の伸びを予測するツールです。主に使うのは100%、161.8%と261.8%のラインです。エリオット波動の3波は、しばしば1波の161.8%〜261.8%まで伸びる傾向があります。

使い方は簡単です。

  1. 1波の始点と終点、2波の終点の3つを結ぶフィボナッチ・エクスパンションを引く
  2. 100%〜261.8%のゾーンに注目
  3. 100%や161.8%まで相場が伸びる可能性がある

このツールの最大の魅力は、3波がどこまで伸びるかを予想できること。トレードで利益を最大化するには、「利益を伸ばす」ことが重要です。フィボナッチ・エクスパンションを使えば、適切な利益確定ポイントを設定でき、大きな値動きを捉えやすくなります。

具体例

次にフィボナッチエクスパンションについて、考えていきましょう。

フィボナッチエクスパンションとエリオット波動、どのように組み合わせて活用するのでしょうか?

答えは、推進3波がどこまで伸びるのかを予想するときに活用します。つまり、トレンドがどこまで伸びるのかを予想し、できるだけ利益幅を伸ばすときに活用するということですね。

例で考えていきましょう。

ドル円の日足チャートにフィボナッチエクスパンションを描画しました。始点、1波の高値と2波の安値の3点を結びます。すると、チャート上に100%、161.8%、256.8%の3つが表示されます。

価格レートが129円のとき、100%が141円、161.8%が147.50円、256.8%が157.70円となっていました。129円のときに、上記の価格まで円安が進むと、仮に想定できたとしたら、大きく利益幅を伸ばすことができますね。

実際、波を形成しながら、256.8%を上回って161円まで円安が進みました。各フィボナッチレベルでは、売り圧力が強まり、反落しましたが、押し目買いが入り、上昇トレンドが継続しました。

256.8%では、為替介入の価格と一致していることからも、フィボナッチエクスパンションがとても有効なツールであると理解できますね。

Threetraderでエリオット波動を活用

ThreeTraderは、エリオット波動理論を活用したいトレーダーにとって理想的なプラットフォームです。最大の特徴である狭いスプレッドは、波動トレードに大きなメリットをもたらします。小さな波動でも利益を得やすく、精度の高いエントリーやリスク管理が可能になります。

最近リリースされたMT5には、エリオット波動分析に欠かせない描画ツールが標準搭載されており、波動のカウントやフィボナッチツールの使用が簡単になりました。

さらに、ThreeTraderは毎朝毎週の相場分析レポートを提供しています。エリオット波動の観点からの市場分析も含まれており、主要な通貨ペアや商品の波動状況や今後の展開予測を確認できます。

高機能なチャートツール、複数の時間軸での分析機能、アラート設定など、充実した機能でエリオット波動を活用したトレードをサポートします。ぜひThreeTraderのアカウントを開設して、これらの機能をフル活用してみてください。

まとめ|エリオット波動が使えない原因

エリオット波動は、多くのトレーダーにとって魅力的な分析手法ですが、その効果を最大限に引き出すためにはいくつかの課題と対策を理解することが重要です。

本記事では、エリオット波動が使えない原因として、カウントが主観的な判断に依存していること、経験とスキルを必要とすること、市場のノイズが多いと機能しにくいこと、市場の流動性が低いと機能しにくいこと、そして予測が過去のパターンに基づいていることの5つを取り上げました。

これらの課題に対して、実践的な経験を積むこと、適切な市場を選ぶこと、他のテクニカル分析やファンダメンタル分析を併用することが対策として有効です。

さらに、エリオット波動を活かした具体的な手法として、推進3波を狙ったトレード、フィボナッチ・リトレースメントを利用したトレード、フィボナッチ・エクスパンションを活用したトレードを紹介し、それぞれの具体例を示しました。

エリオット波動理論を効果的に活用するためには、理論の理解だけでなく、実践的なスキルと市場の動きを把握することが不可欠です。さっそく、本記事で学んだ知識を実践で活かし、トレードの成功率を高め、利益を最大化させましょう。