FX基礎知識
Sep 18, 2024

FX過去検証のやり方【具体的な方法と注意点】

FX市場で成功を収めるためには、過去の市場データを用いた検証が不可欠です。本記事では、FXの過去検証(バックテスト)の具体的な方法と注意点に焦点を当て、自分に合ったトレード手法を確立し、その勝率を上げる方法を詳しく解説します。

この記事を読むことで、過去検証のプロセスを理解し、トレード手法をさらに改良するための実践的なステップを学ぶことができます。また、過去検証の重要なポイントを抑えながら、メンタルの安定を保つことも可能になります。

過去検証のやり方を身につけることで、FX取引における自己のパフォーマンスを向上させ、安定した収益を目指すための土台を築くことができるでしょう。

まずは、過去検証の理解を深めるため、過去検証の目的から詳しく解説していきます。

 

過去検証の目的

過去検証の目的とは何でしょうか?それは以下のとおりです↓

  • 自分に合ったトレード手法を確立する

 

今から、上記の目的を深掘りしていきます。さらに、トレード手法を確立することによって、どのようなベネフィットを得ることができるのかを詳細に解説します。

自分に合ったトレード手法を確立する

過去検証の主要な目的は、自分に適したトレード手法の確立です。

多くの初心者は成功しているトレーダーの手法をそのまま真似ようとしますが、真似したとしても簡単には利益がでません。

各トレーダーには独自の思考パターン、意思決定プロセス、性格、リスク許容度があるため、真似したとしても、継続して利益が出ないという問題にぶつかってしまいます。

過去検証により、自分が効果的に取引できる市場環境や時間帯、適している通貨ペアやチャート時間軸を理解できます。また、自分の心理的傾向(例えば、リスク許容度が高すぎたり、ストップロスが遅いなど)も明らかになり、それらを克服するための具体的な対策を立てられます。

この過程を通じ、理論的根拠に基づいた独自の手法を確立し、一貫して実践することで、長期的な成功への道筋を立てられるのです。

そして、トレード手法を確立することで、得られる利点があります。具体的には以下の3つです↓

  • 勝率が上がる
  • メンタルが安定する
  • トレード手法をさらに改良できる

利点を深掘りしていきましょう。

勝率が上がる

過去検証を通じた自分に合ったトレード手法の確立は、勝率向上の可能性を高めます。

これは過去検証の利点の一つです。自分の取引履歴の分析により、利益を上げやすい状況や、逆に損失を被りやすい状況を特定できます。

例えば、米雇用統計などの主要経済指標発表後の高ボラティリティ相場の方が成功率が高いと分かったなら、そのタイミングを狙って取引すると、勝率も上がりやすいですよね。

また、自分の性格や判断力が最も発揮される時間帯や相場環境を見つけると、より的確かつ簡単に判断しやすくなります。

なぜなら、あなたが最も得意な相場だからです。

他のトレーダーの真似をしても、なかなか利益が出ないという問題は、自己分析をしてトレード手法を自分に合わせていくと、解決する場合が多いです。

それだけ、過去検証と自己分析が大切ということです。

過去データの分析結果に基づいた行動により、感覚的な取引を減らし、論理的な根拠に基づいた取引を増やせます。結果として勝率の向上につながり、長期的な収益性の改善が期待できます。

メンタルが安定する

過去検証を通じた自分に合ったトレード手法の確立は、トレーダーの心理的安定にも大きく寄与します。これも過去検証の利点の一つです。

自分の過去の取引分析により、感情的になりやすい状況や、繰り返しがちな判断ミスを把握できます。感情のコントロール方法や、判断ミスを防ぐための具体的な対策を立てられます。

また、自分の手法の有効性を過去のデータで確認できれば、市場の変動に対しても冷静な対応が可能になります。急激な価格変動があっても、自身の手法に基づいた判断基準があれば、感情的にならず状況を分析し、適切な行動を取れます。

心理的に安定すると、冷静に取引ができるようになります。

結果として、長期的なトレードの継続性と成功確率が高まります。

トレード手法をさらに改良できる

過去検証の利点の3つ目は、トレード手法の継続的な改良です。

自分の過去の取引データの分析により、使用しているトレード手法の強みと弱みが分かります。相場は変化していくので、以下の項目を中心に、手法を定期的に見直してみましょう。

  • エントリーポイントの微調整
  • 損切り・利確ラインの最適化
  • リスク管理手法の改良

例えば、低ボラティリティの相場での勝率が低いことが分かれば、取引を避けるもしくは他の手法を使用するように変更します。また、デモ口座で検証すれば、新しいアイデアや戦略の有効性を、実際の資金をリスクにさらさず、手法の有効性を確認できるでしょう。

検証する内容としては、勝率・リスクリワード比率(平均損切り幅と平均利益確定幅の比較)などが一般的です。勝率も重要ですが、リスクリワードが高いと、利益がより安定しやすくなります。

ThreeTraderは2024年9月2日に、MT5をリリースしました。MT5とMT4の機能の違いについて解説しています。

過去検証のやり方

過去検証を適切に行うことで、自分に合ったトレード手法を確立し、勝率を上げることができます。では、過去検証はどのように行えばよいのでしょうか?その方法を今から詳しく解説していきます。具体的には以下のステップを行います。

 

①過去検証する手法を決める

②デモ口座で検証を行う

③結果を評価する

④手法を調整し再検証する

それぞれのステップを詳しく見ていきましょう。

①過去検証する手法を決める

まずは過去検証する手法を決めます。

具体的な手順を解説していきますね。

手順1:自分のトレードルールを書き出す

まず、自分が現在使っている、または使いたいトレードルールを紙に書き出しましょう。たとえば、「移動平均線がクロスしたときにエントリーする」など、シンプルなルールで構いません。

エントリーシグナル、ストップロスの設定方法、使用しているインジケーター、参考にしている情報源など、できるだけ具体的に記録します。

自分のトレードスタイルも明確にします。

スキャルピング、デイトレード、スイングトレードのうち、どのトレードスタイルが自分に最適でしょうか。

スキャルピングはとてもスピードが早いので、「利益が出たら、すぐに決済したい」と考える傾向がある人は向いているかもしれません。

頻繁にエントリーはしたくない、じっくり分析してエントリーポイントを見極めたいという人はスイングトレードを試してみるとよいでしょう。

スキャルピングやデイトレードの違いデイトレとスイングトレードの違いについては、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。

手順2: 検証する時間枠と通貨ペアを選ぶ

トレードルールを書きだした後は、検証する時間枠と通貨ペアを選びましょう。

1時間足、日足など、自分がよく使うチャートの時間枠と、頻繁に取引する通貨ペア(例:USD/JPYやEUR/USD)を1つ選びます。

初心者の場合は、取引の少ない通貨よりも、ドル円やユーロドルなど主要な通貨ペアで検証するのがおすすめです。

②デモ口座で検証を行う

次にデモ口座で検証を行います。

デモ口座は、リスクなしでトレード戦略を検証できる貴重なツールです。

ThreeTraderでは、マイページから簡単にデモ口座の開設申請ができます。MT5のデモ口座も今後提供予定なので、最新情報をチェックしておくとよいでしょう。

デモ口座での検証は、実際の相場とほとんど同じ動きで検証にとても役立ちます。チャート分析においては、シンプルさを心がけつつ、2つ以上のテクニカル指標を組み合わせてみてください。

例えば、移動平均線とRSI、またはボリンジャーバンドと一目均衡表など、自分にしっくりくる組み合わせを見つけることが大切です。

③結果を評価する

検証した後は、その結果を評価します。

裁量トレードの結果評価には、MT4/MT5のレポート機能が非常に役立ちます。

特にMT5のレポートは、より詳細な分析が可能です。MT4/MT5のレポートから、勝率、リスクリワード比、連続勝利回数、連続敗北回数などの重要な指標を確認できます。

レポートデータを分析することで、自分のトレードの特徴、強み、弱みを客観的に把握することができます。

例えば、特定の市場環境での成績が良いか、エントリーのタイミングは適切か、損切りや利益確定の判断は的確かなどを評価します。

以下の手順でトレード結果を確認してみましょう。

手順1: 勝率とリスクリワード比を分析

勝率とリスクリワード比を確認し、自分のルールが機能しているか確認します。例えば、勝率が60%程度であっても、リスクリワード比が2倍以上であれば、手法として有効と判断できる材料となります。

手順2: 改善点をリストアップ

各トレードを振り返り、「エントリータイミングが早すぎた」「損切りが遅かった」など、問題点をリストにまとめます。このリストは、次のステップで手法を調整するために役立ちます。分析結果は、次のステップである戦略の調整に不可欠な情報となります。

④手法を調整し再検証する

最後に、手法を調整し再検証します。

評価結果から自分の弱点が明らかになったら、弱点を改善するために戦略を微調整します。

手順: 1つの改善ポイントに焦点を当てる
リストアップした改善点の中から、1つだけに絞り、それを改善します。たとえば、「ストップロスの設定を10ピップス早くする」というように具体的な調整を加えてください。

損切りが遅いという問題が判明した場合、エントリーと同時にストップロスを設定する習慣をつけるか、自動的にストップロスを設定するEAの導入を検討します。

裁量トレードにおいても、補助的なEAの活用は非常に効果的です。

ポジションを自動認識してストップロスを設定するEAや、トレーリングストップを自動化するEAなどがあります。補助的なEAを活用することで、感情的な判断を排除し、より一貫性のあるトレードが可能になるでしょう。

過去検証後にやるべきこと

過去検証が終わった後、実際の市場でどのように行動するかがFXトレーディングの成功に大きく影響します。では具体的には、何を行えばよいのでしょうか?その行動ステップは以下です↓

 

  • 実際の相場で手法を試す
  • パフォーマンスを分析する
  • 戦略の最適化と継続的な改善を行う

 

これらのステップを踏むことで、理論だけでなく実践の中での戦略の効果を確認し、持続可能なトレーディングパフォーマンスを実現するための具体的な行動指針を得ることができます。それぞれのステップを詳しく見ていきましょう。

実際の相場で手法を試す

デモ口座での検証を終えた後、実際の相場で手法を試すことが重要です。

デモ口座と実口座では資産の増減パターンが異なり、実際の資金運用時には無意識の緊張が心理面に影響を与えます。多くのトレーダーは、デモ口座では冷静に損切りできていたポジションを、実口座では「もう少しで戻るかも」と考えて保有し続けてしまった経験があるでしょう。

実口座での運用には、確立されたトレード手法だけでなく、適切な心理管理、自己管理、そして資金管理が不可欠です。手法の有効性を確認するには、最小ロットでも構わないので、デモ口座での検証後に実口座でも試してみてください。

実際の市場環境と心理的プレッシャーの中で、戦略が本当に機能するかを確認できます。

実口座でのテストでは、利益の出方だけでなく、損失の受け方や心理的な安定性にも注目しましょう。

パフォーマンスを分析する

トレード結果の分析では、単純な利益額や勝率だけでなく、資産曲線の形状にも注目してみましょう。

理想的な資産曲線は、緩やかな波を描きながら右肩上がりに推移するパターンです。このような曲線は、安定したリスク管理と一貫した戦略の実行を示唆しています。

特に注目すべき点は、ドローダウン(最大損失幅)の管理です。適切な損切りが実行されており、ドローダウンが10%以内に抑えられているかを確認しましょう。10%を超えるドローダウンが続き、その後一気に利益が出て回復するようなパターンは、含み損を抱え続けている証拠であり、危険信号と言えます。

パフォーマンス分析では、勝率や利益率以外の指標も考慮に入れましょう。例えば、最大ドローダウン、シャープレシオ(リスク調整後のリターン)、平均保有期間、勝トレードと負トレードの平均利益/損失など、多角的な視点で評価することで、戦略の強みと弱みをより明確に把握できます。

戦略の最適化と継続的な改善を行う

トレード戦略の最適化は、継続的なプロセスです。パフォーマンス分析の結果に基づき、具体的な改善点を特定し、継続的に実行していくことが重要です。

例えば、エントリー回数が多すぎる場合は、エントリー基準をより厳格にすることで、質の高いトレードチャンスに集中できます。

ファンダメンタル分析の導入も、戦略改善の有効な手段です。FX市場では、「金利が高い通貨が買われやすく、金利が低い通貨が売られやすい」という基本原則があります。各国の金融政策の方向性や金利の推移予測など、マクロ経済の視点を取り入れることで、より信頼性の高い判断が可能になります。

2024年秋の各国金融政策まとめ最新情報については、以下の記事をご覧ください。

関連記事)2024年各国の金融政策まとめ

テクニカル分析とファンダメンタル分析を組み合わせることで、市場の大局観を踏まえたトレードが可能になります。また、定期的に市場環境の変化を分析し、必要に応じて戦略を調整することも忘れずに。相場がは常に変化しているため、かつて有効だった戦略も時間の経過とともに効果が薄れる可能性があります。

過去検証の注意点

過去検証のプロセスにはいくつかの落とし穴が存在します。このセクションでは、過去検証の際に一般的に見落とされがちなポイントに焦点を当て、効果的な過去検証を実施するための重要な注意点を解説します。

 

具体的な注意ポイントは以下です↓

  • 検証する手法を明確にする
  • 調整時の変更点はひとつにする
  • 過去検証を継続して行う

それぞれの注意点を詳しく見ていきましょう。

検証する手法を明確にする

検証する手法の明確化には、自分のトレードスタイルを詳細に書き出す作業が重要です。

エントリー根拠、ストップロスの設定位置、具体的なルールなどを客観的に記録し、裁量トレードの全体像を把握します。感覚的なトレードであっても、無意識に重視しているポイントを見つけ出せます。

例えば、買われすぎ・売られすぎの相場での逆張りや、ブレイクアウトポイントでの逆指値エントリーなどの傾向を特定します。予想外の相場展開への対応方法も考慮し、含み損の持ち越しや利益確定の基準など、問題点を洗い出します。マーチンゲール法を使用している場合は、ドローダウンの大きさにも注意を払います。

これらの分析を通じて、改善点を明確にし、トレード手法の最適化を図ります。

調整時の変更点はひとつにする

トレード手法の検証と調整時は、変更点を一つに絞るのが重要です。裁量トレードの検証には地道な作業が必要ですが、一度に多くの要素を変更すると、どの変更が効果的だったのかの判断が難しくなります。

インジケータ-を使った明確な手法がある場合、生成AIを活用して自分の手法のEAを自作できます。上級者向けの方法ですが、効率的な検証に役立つので、ぜひ試してみてください。

また、デモ口座と実際の口座の両方で検証を行うと、より現実的な結果が得られます。一つずつ慎重に変更を加え、その効果を測定することで、より効果的な手法の改善が可能になります。変更点を一つに絞ることで、各調整の影響を明確に把握でき、手法の最適化が容易になるでしょう。

トレード手法の弱点を特定し、強化すべき点を明確にできます。

過去検証を継続して行う

相場には、トレンド相場とレンジ相場があり、全ての状況で利益が出る万能な手法は存在しません。どの手法にも必ず弱点があるため、複数の手法を持つのが賢明です。過去検証の継続により、各手法の強みと弱みを理解し、市場状況に応じて適切な手法を選択できるようになります。

MT4/MT5だけでなく、TradingViewのようなチャート分析専門ツールやForexTesterなどの検証専門ソフトを活用すれば、より深い分析が可能になります。継続的な検証により、市場の変化に適応し、長期的に安定したトレードパフォーマンスを維持できます。

過去のデータを基に、異なる市場環境での手法の有効性を評価し、必要に応じて調整を加えることが重要です。継続的なプロセスにより、トレーダーは自信を持って市場に臨むことができ、より一貫した結果を得られる可能性が高まります。

Threetraderでスムーズな過去検証

ThreeTraderは、FXトレーダーにとって過去検証を効率的に行うための優れた環境を提供しています。

最大1000倍のレバレッジを活用すれば、少額の資金でも取引口座を開設し、実際のトレード手法を検証しやすくなっています。少額資金であっても、高いレバレッジを活かし、自分の手法をリアルな市場環境で試すことが可能です。

また、ThreeTraderは今後MT5デモ口座の提供を予定しており、初心者でもリスクを負わずにトレード戦略のテストができます。

さらに、毎朝配信される市場分析毎週配信されるウィークリーレポートにより、ファンダメンタル分析の材料も充実。これにより、過去検証と最新の市場動向を組み合わせた、より精度の高いトレード戦略を立てることが可能です。

まとめ|FX過去検証のやり方

本記事では、FXの過去検証の方法について詳しく解説しました。過去検証の目的は、自分に合ったトレード手法を確立することです。結果、トレードの勝率を上げることができます。

過去検証は、検証する手法を明確に決めることから始まります。そして、過去のチャートを使ってその手法を試します。次に、その結果を慎重に評価し、必要に応じて手法の調整を行い、再び検証を行います。

検証が完了した後は、実際の市場で試し、その結果をもとにさらなる調整を行うことが重要です。このプロセスを繰り返すことで、戦略の精度を高め、より効果的なトレーディング手法を確立することが可能になります。さっそく過去検証を行い、自分に合った最適なトレード手法を確立し、トレードの勝率を上げていきましょう。