主な焦点は米国の雇用統計で、市場の関心が物価指数から雇用環境に移行している。米ADP雇用統計、失業保険申請件数、政府雇用統計が重要視されている。ドル円は144円付近で推移し、緩やかな下落傾向にある。
米国のGDPと個人消費は堅調だが、利下げの実現可能性に注目が集まっている。クロス円は安定化しつつあり、豪ドル円は中央銀行のタカ派姿勢により上昇の可能性がある。カナダ中央銀行は利下げが予想され、カナダ円への影響が予測される。また、日本の家計調査・消費支出の動向も確認ポイントとなっている。
ドル円は143円前半まで下落したが、下値が堅く直近安値付近には近づけなかった。米経済指標で一喜一憂する相場になっている。今週は米GDPや個人消費支出の統計が上方修正された。そのため、ドル買いが強まっている。
9月になると、米雇用統計、FOMCが控えている。実際に、利下げが実施されるかどうかは雇用情勢次第となりそうだ。10月以降は米大統領選が本格的に意識され始める。ドル円は一度調整の上昇をしているが、米雇用統計次第で140円割れも視野に入ると考える。
豪ドル円は上昇の動きが優勢となっている。豪中銀はタカ派であり、来年3月頃まで高金利政策維持とコメントしている。そのため、豪ドルが買われやすい相場環境だ。豪ドル円は109円から90円まで下落したが、現在は98円付近で推移している。フィボナッチリトレースメントが意識されており、上値の目安は50%(半値)に該当する99.75円だ。
付近には200日移動平均線、ラウンドナンバーである100.00円が控えている。非常に大きな抵抗帯となりそうだ。円買いの動きがあるため、100円より上値を狙うかは不透明。まずは99円台後半を狙うと考える。
カナダ円の日足チャートを分析する。カナダ円は28日移動平均線を上回るかどうか、攻防が続いている。今週はカナダ中銀の政策金利発表があり、利下げが予想されている。
ただし、カナダ円で考えなければいけないのは原油価格。原油は落ち着きのない動きとなっている。利下げとなれば、カナダドルの売りが強まると予想。フィボナッチリトレースメントの23.6%を割り込めば、105.56円が1つの目安になりそうだ。
28日移動平均線を超えるのか、反落するのかに今週は注目したい。