4月7〜11日の注目経済指標には、米消費者物価指数(4/10)やFOMC議事要旨(4/9)等が控える。
前週の市場は米国の関税政策発表を受け大きく動揺。これが予想以上に深刻で、米国外で製造・輸入する企業に打撃となり、景気後退やスタグフレーションの懸念が高まっている。ダウ平均は下落トレンドが継続中でRSIは31と反発の可能性もあるが一時的と予想。4万ドル割れで3万9150ドルまで下落する可能性も。
原油価格も景気減速懸念から5%以上急落。65ドルの強い支持線を割るかが今後の景気見通しの判断材料となる。引き続き株価とドル円の下落が予想される。

注目の経済指標とイベント(4/7~4/11)
- 米国の関税政策は「最悪のシナリオ」、米景気後退が現実味
- 米株式市場は暴落、PERが高いハイテク株の下げがきつい
- 企業の業績予想下方修正の可能性あり、「落ちるナイフ」のつかみに警戒
- 米失業率とインフレ指標に注目、スタグフレーションの兆候を都度確認が必要
- 日経平均株価はRSI30を大幅に下回って推移、投げ売りも出る可能性
相場のファンダメンタル
関税政策が想像以上に深刻であるため、相場は動揺している。米企業にとっても、米国外で製品を製造している企業や輸入している企業にとっては大打撃となる。各相場は調整的な反発はあっても、今後の景気後退やスタグフレーションなど弱気材料満載では相場転換はしにくいだろう。
引き続き株価は下落、ドル円は下落を予想する。
テクニカル分析
ダウ平均株価(US30)
ダウ平均株価の日足チャートを分析する。2025年1月末に上昇トレンドラインが抵抗線となっていることが確認できる。4万5000ドルを高値に40668ドルまで下落し、4万2800ドルに上昇。戻り高値を形成し、関税発表をきっかけに40668ドルの安値を更新した。下落トレンドが継続することが分かる。
RSIは31となっており、反発する可能性もあるが、一時的なものになりそうだ。4万ドルを割り込み、3万9150ドルまで下落する可能性も視野に入る。

原油(XTIUSD)
関税発表を受けて、米国の景気減速や世界的な需要減少を見越し、原油価格は5%以上急落した。65ドル付近は鉄壁の支持線であり、2024年は何度も反発した非常に強い支持帯である。関税発表を受けて、65ドルを割り込むかどうかで、市場が今後の景気見通しをどのように考えているか、理解する材料となるだろう。
2024年の最安値である65.5ドルを割り込み、2年ぶりの安値更新となるかに注目したい。
