来週(9/9〜9/13)の経済カレンダーには、日本のGDP、英国の雇用統計とGDP、米国の消費者物価指数など重要指標が並ぶ。日銀関係者の講演も多く、今後の金融政策に注目が集まる。
株式市場は大きく変動し、原油価格も急落している。ドル円は143.50円の支持線を割り込み、142.32円まで下落。米雇用統計の悪化がきっかけだが、日銀は世界の中央銀行と逆のサイクルを辿る可能性がある。
ポンド円と豪ドル円は下落傾向にあり、今後のボラティリティ上昇と下落リスクに警戒が必要。特に豪ドルの弱さが目立つ。
ドル円は143.50円の支持線をブレイクアウトし、142.32円まで下落した。きっかけとなったのは金曜日に発表された米雇用統計。新規雇用者数が14万2000人かつ失業率が4.2%となり、雇用状況が悪化している。詳細を見ると、平均時給は上昇しており、140円割れにはならなかったが、ドル安に勢いが付く結果となりそうだ。
米株価指数は大幅安。例年、9月は株価が下落しやすい月でもあるが、今年も実現しつつある。カナダも失業率が上昇し、利下げが実施された。
異例なのが日銀。世界の中央銀行と全く逆のサイクルをたどろうとしている。来週は株価の急落、円高による140円割れなどのリスクに注意が必要だ。ボラティリティの高まりに厳重に警戒したい。
ポンド円の日足チャートを分析する。ポンド円は28日移動平均線が意識されており、移動平均線を上回った段階で包み足を形成し、戻り売り圧力が高まった。直前の上昇トレンドにフィボナッチリトレースメントを描画すると、23.6%を目指して下落している途中である。
エクスパンションを描画すると、下値目標値は61.8%に該当する176円台となる。10円以上も下落する可能性があるため、ボラティリティの高まり、下落リスクを意識したい。
豪ドル円の日足チャートを分析する。豪ドル円もポンド円と同じように28日移動平均線が意識されている。28日移動平均線を上回った段階で、明確な包み足を形成。61.8%まで一気に急落した。豪ドルが非常に弱く、円高に傾いている。61.8%は最終防衛ラインとなるため、ブレイクアウトするまでに多少は時間が掛かる可能性もある。
リトレースメントの61.8%をブレイクアウトした場合、直近安値の90円、エクスパンションの87.90円が下値目標値となる。今後も下落リスクに注意していきたい。