今週の金融市場の焦点は、18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)会合である。市場は米連邦準備制度理事会(FRB)の大幅利下げを期待しており、これがゴールド価格の史上最高値更新につながっている。利下げ幅については0.25%か0.50%で意見が分かれている。
一方、ドル円は140円台まで下落。米インフレ率が予想を上回ったが大幅利下げの期待が先行して、金曜日のNY時間に円高ドル安が強まった。
他にも注目すべきイベントとして、英国とEUの金融政策決定、日銀金融政策決定会合がある。ECBは既に利下げを決定し、英国は据え置き予想が優勢。日銀も据え置きが大方の予想だ。これらの政策決定により、為替市場は不安定な動きとなる可能性が高い。
ドル円は140円台まで下落した。米インフレ率が予想を上回ったことで大幅利下げ観測が後退したが、金曜日のNY時間に復活し、円高ドル安が強くなった。米金利の大幅引き下げを期待する市場が先行して相場を動かしているように思える。
予想どおりになるのであれば、大きな混乱はないが、期待と違う結果が出たときの反応は大きなものになりそうだ。株式市場は大きく売られ、ドル円は急騰する可能性もある。ドル円の日足RSIは30であり、直近安値を更新している。140円割れも視野に入れる時期になったようだ。
ポンドドルの日足チャートを分析する。ポンドドルは上昇の平行チャネル内を推移しており、現在は転換線が上値を抑えている状況だ。28日移動平均線が支持線として機能している。
今週のFOMCや英中銀の金融政策決定会合に注目が集まる。
FOMCで大幅利下げ(0.50%)が決定され、英中銀が金利据え置きを決定すれば、金利差が拡がるため、ポンドドルは急騰する可能性が高い。1.312ドルで推移しているが、1.33ドル付近を目指すシナリオも想定できそうだ。
FOMCで0.25%の小幅利下げになれば、期待はずれでポンドドルは一度下落するかもしれないが、米株式市場も下落すると予想されるため、最終的にはチャネル上限を目指して上昇する可能性がある。
ユーロ円の日足チャートを分析する。ユーロ円は下落が継続する見通し。ECBは利下げを決定し、金利差が縮小することになった。ユーロ安円高の圧力が高まる要因となる。
ユーロ円は156円で推移している。フィボナッチエクスパンションを描画すると、61.8%に該当する150.25円を目指して緩やかに下落する可能性がある。今週はFOMCと日銀金融政策決定会合が開催されるため、クロス円通貨ペアは不安定な動きに警戒が必要だ。
まずは直近安値である154.40円を割り、下落トレンドが確定するのを確認したい。