11月18日から22日にかけて、ECBラガルド総裁やBOEベイリー総裁など主要中央銀行関係者の講演が相次ぐ。各国のインフレ指標も注目で、EU・英国のCPIや日本の全国コアCPIの発表が予定されている。
為替市場では9月末以降ドル高基調が継続。ただし、パウエルFRB議長が利下げを急がない姿勢を示したことで、最近は調整が入っている。12月のFOMCでの利下げ観測の変化が相場動向の重要な要因となる。
ユーロ円は下げ三法を形成し、161.90~162円が強い支持線。豪ドル円はフィボナッチ50%ラインを支持線として反発を繰り返しているが、テクニカル指標は下落基調を示している。
大統領選直後から為替相場ではドル高基調が継続している。ドルインデックスは9月末から上昇を続けており、大統領選をきっかけによりドル高基調が強まっている。金曜日はドル高基調に調整が入った。
パウエルFRB議長は、利下げを急ぐ必要はないとコメントして、株価やドル高の動きに調整が入ったようだ。年内最後のFOMCが12月に開催されるが、利下げ観測がどこまで後退するのか、利下げ観測が高まるのかによって相場は影響を受けやすくなる。
各国の中銀関係者の講演内容に注目したい。
ユーロ円の日足チャートを分析する。ユーロ円は26日移動平均線を割り込んでおり、フィボナッチリトレースメントの38.2%付近の安値を付けている。161.90円~162円が強い支持帯として機能している。下落のチャート形状を見ると、「大陰線+3本の小陽線+大陰線」という「下げ三法」を形成している。
161.95円を割り込めば、フィボナッチリトレースメントの50%に該当する160.90円まで下落する可能性があるため、下落リスクに警戒したい。RSIが下落基調を示す水準である50未満になっていることも注目できる。
豪ドル円の日足チャートを分析する。豪ドル円はフィボナッチリトレースメントが強く意識されていることが確認できる。直近では50%と60%の間でレンジ相場を形成している。50%が現在は支持線として機能しており、少なくとも6回反発している。
ただし、現在は26日移動平均線を割っており、RSIも48と50未満で推移。下落基調を意味する。99円を割り込めば、ストップロスを巻き込んで38.2%が該当する97.50円付近まで下落するシナリオも考慮に入れる必要がありそうだ。