パウエルFRB議長の利下げ言及によりドル安傾向が顕著。日銀の基本姿勢は不変だが、米国は利下げ方向へ明確に転換。ドル円は下落傾向を示し、ユーロ円も円高ユーロ安の可能性が高い。一方、ポンドドルは上昇傾向にあり、英中銀の高金利政策維持が背景。テクニカル分析では、ドル円とユーロ円の下落、ポンドドルの上昇が予想された。今後は各国の金融政策の方向性と実際の経済指標、特に物価や雇用状況に注目が集まる。
ドル円は典型的な下落を示唆するチャートパターンを形成している。フィボナッチリトレースメントが意識されており、38.2%まで上昇した後、23.6%を割って下落。再び23.6%まで上昇したが、反落し、包み足を形成して下落した。
米利下げ政策への転換がほぼ確実となり、ドル円は今後下落する可能性が高い。円安のときと同様、米利下げ・日利上げという対立的な金融政策となり、下落圧力が掛かりやすくなる。
ユーロ円の日足チャートを分析する。240日移動平均線で反落しており、転換線も下回っている。RSIも40になっており、下落余地がまだある。ファンダメンタルを考えると、ECBは利下げ政策にすでに転換している。一方、日銀は利上げ政策に転換しつつあるため、方向性としては円高ユーロ安になりやすい。
現在、161.50円付近で推移しているが、直近安値154円台まで下落する可能性がある。円高リスクに注意したい。今週はドイツ・EU圏のCPIに注目したい。
ポンドドルは直近高値を上抜けて、7日続伸している。現在、1.32ドルを上抜けて大陽線で週末を迎えている。RSIは68となっており、まだ上昇の余地はありそうだ。大きな視点でフィボナッチエクスパンションを描画すると、1.3720ドル付近が61.8%となる。
次の上値抵抗線は過去の高値である1.36ドル~1.372ドル付近を目指しそうだ。英中銀は高金利政策を据え置いており、金利差が開き、ポンドに有利となる。上昇の可能性が高い相場となっている。