来週は、米国の高官講演が多数予定されており、市場にサプライズがもたらされる可能性がある。米経済指標によって市場が短期的に上下する動きが見込まれ、ドル円は157円を抵抗線として足踏み状態にある。日銀コアCPIの発表が脱デフレの兆しを示すか、ドイツCPIの発表がユーロ圏の経済状況を示すかに注目が集まっている。また、日本の長期金利が12年ぶりに1.0%を上回ったことや、原油価格の下落傾向が継続していることも市場に影響を与えている。
ドル円は156.96円で週の終値を迎えた。週間では3週連続続伸しており、157円台に突入しそうだ。一方、日本の長期金利が12年ぶりに1.0%を上回って終値を迎えたことは興味深い。金利が上昇したことで日経平均株価には重しとなっている。ただ、今のところ米長期金利も上昇しているため、金利差が縮小せず、金曜日はドル高円安となった。
しかし、円安一辺倒にはなっていない。日銀の植田総裁は「長期金利は金融市場で形成されることが基本になる」と述べ、以前のように長期金利を抑える操作はしない姿勢を示している。大きな転換点だ。このまま日本の長期金利の上昇トレンドが継続すれば、円安一辺倒のドル円相場の勢いが落ち着き、いずれは円高方面へと調整しだす可能性がある。トレンド転換には敏感でありたい。
ポンド円の日足チャートを分析する。ポンド円は199.85円を上回って終値を迎えており、200円台が視野に入る。200円台で終値を迎えることになれば、2008年のリーマンショック前の水準となり、16年ぶりの価格帯となる。英インフレ指標は落ち着いており、直近は前年比2.3%となっている。節目となる200円台になれば利益確定売りが出る可能性が高くなる。
原油の日足チャートを分析する。原油は下落傾向が継続している。フィボナッチエクスパンションを描画すると、金曜日に一時反発した原油価格の抵抗線として機能している。今後、100%で戻り売りが出るかどうかに注目だ。戻り売りが発生すれば、74ドル台前半まで下落する可能性がある。RSIは43.5となっているため、下落余地はある。