先週の経済指標とイベントを振り返ると、日銀は現行の金融政策を維持する決定を下した。この結果、ドル円相場は急伸し、クロス円相場も軒並み上昇した。一方、米国では個人消費支出価格指数が予想通りとなり、ハイテク企業は高金利状態でも好調な決算が継続している。
ドル円は158.45円の高値を更新し、160円台が視野に入ってきた。為替介入への警戒感だけでは円安を止められない状況である。ポンド円は191円台から197円台へと急伸し、フィボナッチエクスパンションの100%ラインである202円付近が注目される。カナダ円は110円台を上回り115円台まで上昇したが、反落の動きにも注意が必要だ。
ドル円は158.45円の高値を更新。日銀政策決定会合で、国債買入方針が変わらなかったこと、緩和的な環境を継続という方針が記者会見で示され、円売りに拍車が掛かった。また、米イエレン財務長官が「為替介入はまれであるべき」とコメントし、釘を刺されてしまった通貨当局は為替介入に踏み切れなくなってしまった感がある。
そのため、為替介入を警戒していた投機筋も、一気に円売りを仕掛け、金曜日だけで155円台から158円台まで上昇。160円台が視野に入ってくる。
円安を止めるには利上げをするのが一番であるが、当分はなさそう。そのため、円安は続くと考えられる。しかし、RSI(14)は88となっており、過熱感は相当程度に高まっている。来週のGWでは薄商いになるため、大きく変動する可能性がある。急落・急騰に十分注意したい。
ポンド円の日足チャートを分析する。先週、ポンド円は191円台から197円台まで急伸した。ドル円相場が急伸したことにより、連動したようだ。フィボナッチエクスパンションを描画すると、202円付近が100%に該当する価格帯となる。RSI(24)は69となっており、やや過熱感が出てきている。どこかで調整の反落があると考えられるが、為替介入警戒感だけで円安を止めることは、もう限界だろうと思われる。
ポンド円も円安方向へのリスクに警戒したい。
カナダ円の日足チャートを分析する。先週、カナダ円は節目となっていた110円台を上回り、115円台まで急伸した。フィボナッチファンを描画すると、38.2%のラインが接近していることが確認できる。また、RSI(24)が74になっており、過熱感がみられる。
金曜日に急騰した反動があると考えられる。長期的には円安方向だが、来週は反落の動きに注意が必要だ。112円が支持線として機能するかを確認したい。