FX基礎知識
Jun 19, 2024

【海外FX】ゼロカットシステムとは?追証なしのメリットとデメリット【日本との違い】

海外FX市場における投資は大きな機会を秘めていますが、同時にリスクも伴います。このリスクを管理し、トレーダーを保護するために、いくつかの海外FX業者は「ゼロカットシステム」を採用しています。では、ゼロカットシステムとはいったい何なのでしょうか?

ゼロカットシステムとは、市場の急激な変動によってトレーダーの口座がマイナスになっても、追加の資金請求(追証)なしで済む保護措置のことを指します。この記事を読むことで、海外FXにおけるゼロカットシステムの仕組みと、それが日本のFX取引とどのように異なるのかを理解できます。

また、ゼロカットシステムのメリットとデメリットを深掘りし、自身の投資戦略に合った海外FX業者の選び方や、ゼロカットシステムを最大限に活用する方法についても解説します。この記事を読むことで、より賢明な投資判断を下すための知識を得ることができるでしょう。

まずは、ゼロカットシステムの仕組みを具体例とともに解説していきます。

 

海外FXのゼロカットシステムとは?

海外FXのゼロカットシステムとは、簡単に言うと、トレーダーがFX取引で大きな損失を出しても、その損失が口座の残高を超えてマイナスにならないように保護するシステムです。ではどのように機能するのでしょうか?

今から、ゼロカットシステムが具体的にどのような仕組みで機能し、トレーダーにどのような保護を提供するのかを詳しく解説していきます。また、実際の具体例を挙げて、ゼロカットシステムがどのようにトレーダーのリスクを軽減するのかを示し、さらに、日本のFX業者との違いにも触れます。

ゼロカットシステムの仕組みから見ていきましょう。

仕組み

FX取引における大きなリスクの一つは、予期せぬ相場の急変動です。相場の急変動によってマイナス残高が発生した場合、ゼロカットシステムがトレーダーを守る重要な役割を果たします。

ゼロカットシステムは、FX業者がトレーダーに発生した損失を負担し、いわゆる追証をゼロにします。FXは借金のリスクがあるとも言われますが、ゼロカットシステムを導入しているFX業者では、借金のリスクはありません。

トレーダーが負うことになる最大の損失は、取引口座に入金した金額までとなり、相場の不意の動きによるリスクから一定程度守られます。

しかし、ゼロカットシステムの適用にはFX業者によって異なるタイミングや条件が設定されているため、トレーダーは注意が必要です。一部の業者では自動でゼロカットが適用され、マイナス残高をリセットされます。

別の業者では、次に入金する際にゼロカットが適用される場合もあります。また、適用条件についても、業者によって様々な条件があります。

具体例

あるトレーダーが10万円をFX口座に入金し、ハイレバレッジを活用してFX取引をしました。しかし、取引の結果が予想とは反対の方向へ急変動し、20万円の損失が発生した場合、通常であればマイナス残高分、つまり10万円を追証としてFX業者に入金する必要があります。

上記のように、追証はトレーダーにとって大きな負担となり得ます。損失が増えれば、さらに負担は大きくなります。

しかし、ゼロカットシステムがあれば、その負担はゼロになります。ゼロカットシステムを採用しているFX業者であれば、20万円の損失が出たとしても、業者が損失分をカバーし、口座残高を0円にリセットしてくれます。ほとんどの海外FX業者ではゼロカットシステムがあるため、トレーダーは初めに入金した金額以上の損失を心配する必要はありません。

つまり、ゼロカットシステムがあるおかげで、トレーダーは追証のリスクから守られ、より安心して取引に臨めます。投資の世界では予測不可能な相場の変動が常にありますが、ゼロカットシステムによって、大きな損失のリスクを抑えることが可能になります。

日本のFX業者とゼロカット

国内FX業者には、ゼロカットシステムを提供しているブローカーはありません。これは、顧客の損失をFX業者が負担する形の「損失補てん」が、法律によって禁止されているためです。つまり、日本の金融庁のライセンスを持つ業者は、ゼロカットシステムを採用することができないのです。

そのため、国内のFX業者を利用していると、強制ロスカットが間に合わないほどの急激な相場の変動が起こった際に、証拠金以上の損失が発生するリスクがあります。この場合、トレーダーはマイナス残高分を追加でブローカーに入金する義務があります。

また、FX取引による借金で自己破産をしようとしても、FX取引は免責不許可事由に該当するため、原則、追証の免責は得られません。過去には、スイスフランショックやフラッシュクラッシュのような大きな相場の変動時に、多額の追証を求められたトレーダーがいました。

国内FX業者の利用時には、追証の上限のないリスクを十分に理解しておく必要があります。

ゼロカットシステムのメリット

海外FX取引においてゼロカットシステムは、多くのトレーダーにとって魅力的な安全網を提供します。このセクションでは、ゼロカットシステムが持つ主要なメリットに焦点を当て、なぜこれがトレーダーにとって重要なのかを掘り下げます。

具体的には、追証リスクがないこと、取引をより安心して行える環境が整っていること、そしてハイレバレッジ取引をしやすくなるという3つの大きな利点を詳しく解説します。

このセクションを通じて、ゼロカットシステムを備えた海外FX業者を選択する際のメリットを理解し、自分の取引スタイルに最適な業者選びができるようになるでしょう。

それでは、ゼロカットシステムのメリットをひとつずつ詳しく解説していきます。

追証リスクがない

FX取引では、相場の急変動が起こることがあります。このような時、ゼロカットシステムがあれば、大きな安心材料となります。

ゼロカットシステムの最大のメリットは、相場が急激に変動して口座の残高を超える損失が出たとしても、追加の資金請求、つまり追証が発生しない点にあります。これにより、トレーダーは自己資金を超える損失のリスクを気にすることなく、資金管理やレバレッジのコントロールに専念できます。

特に重要なのは、大きなニュースイベントの際など、相場が大きく動きやすい時期でも、追証の心配なしに取引を続けられるという安心感です。ゼロカットシステムのおかげで、トレーダーは相場の不確実性に対しても柔軟に対応できるようになります。

安心して取引できる

ゼロカットシステムのおかげで、相場が急変動しても、口座残高を超える損失に直面することなく、安心して取引を行うことが可能になります。トレーダーは、予期せぬ相場の動きによるストレスを感じることなく、自分の取引戦略に集中できる環境を手に入れることができます。

特にFX取引を始めたばかりの初心者や、少ない資金で取引を行う人々にとって、この保護措置は大きな心理的サポートとなります。安全な取引環境が提供されることで、より積極的にリスクを取りながらも、そのリスクを適切に管理することができます。結果として、トレーダーは長期的に見て成功につながる戦略を立てやすくなり、FX取引の世界での成長と発展につながります。

ハイレバレッジ取引がしやすい

海外FX業者を利用する際、ハイレバレッジ(高レバレッジ)を活用することが一つの大きな魅力です。ハイレバレッジにより、トレーダーは少ない資金で大きな取引ができます。ハイレバレッジにより、資金効率を大きく高め、大きな利益を目指せます。

ただし、ハイレバレッジを利用する場合、リスクも比例して高まります。

ここでゼロカットシステムの役割が重要になります。ゼロカットシステムのおかげで、相場の急変動があった場合でも、損失が口座残高を超えることはありません。つまり、トレーダーはハイレバレッジを用いた取引を行いながらも、そのリスクを管理しやすくなります。

これにより、戦略的にレバレッジを最大限に活用することができ、利益を出すチャンスを広げることが可能です。

結果的に、ゼロカットシステムを導入する海外FX業者では、ハイレバレッジ取引をより安心して実践でき、トレーダーが自分の取引スキルとリスク許容度に合わせて、より積極的に相場に参加できるようになります。

ゼロカットシステムのデメリット

ゼロカットシステムは海外FX取引における大きなセーフティネットを提供しますが、その利用にはいくつかのデメリットも伴います。具体的には以下の3つです↓

 

・処理に時間がかかる

・リスク管理を軽視しやすくなる

・FX業者によってはスプレッドが広く手数料が高い

 

ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

 

処理に時間がかかる

ゼロカットシステムを採用しているFX業者を利用する際、相場の急変動が生じた場合、トレーダーの口座残高をリセットして損失を処理するまでに時間が必要になることがあります。たとえば、ThreeTraderでは、相場の急激な変動が発生した後、口座のマイナス残高をゼロに戻す処理が1営業日以内に自動で適用されます。

このようなシステムがあることで、マイナス残高になった場合でも、すぐに入金処理を行う必要はありません。次の営業日まで待ち、ゼロカットが適用されて口座残高がリセットされたことを確認した上で、改めて取引を続けるか、追加の入金をするかを決めることができます。このプロセスは、トレーダーが損失を迅速に処理し、取引を継続する上での不安を軽減します。ただし、処理に時間がかかることを理解し、その間の取引戦略を慎重に計画することが重要です。

リスク管理を軽視しやすくなる

ゼロカットシステムを提供するFX業者を利用する際、トレーダーはリスク管理の重要性を見失いがちになります。安心感から、実際のリスクを適切に評価せず、ギャンブルのような取引に走ってしまうことがあります。結果、ゼロカットシステムを何度も利用することになるかもしれません。

ゼロカットシステムを頻繁に利用していることは、リスク管理が適切に行われていない証拠とも言えます。そのため、もしゼロカットを繰り返しているなら、取引を一時停止し、リスクとリワードの比率やストップロスの設定、ポジションの大きさなど、取引計画を見直すことが重要です。

リスク管理はFX取引において最も基本的なスキルの一つです。ゼロカットシステムがあっても、適切なリスク管理なしには、長期的に利益を出し続けることは難しいでしょう。

FX業者によってはスプレッドが広く手数料が高い

ゼロカットシステムを提供するFX業者を選ぶ際、スプレッドの幅や手数料の高さにも注意が必要です。ゼロカットシステムの利用により業者が負うリスクをカバーするため、一部のFX業者はスプレッドを広く設定したり、取引手数料を高く設定しています。このような取引コストの増加は、特に頻繁に取引を行うデイトレーダースキャルパーにとって、利益を圧迫する原因になります。

しかし、すべてのFX業者が高い取引コストを要求しているわけではありません。

ThreeTraderは、業界内で非常に狭いスプレッドを提供している業者です。さらに、取引手数料が設定されている口座タイプであっても、業界最安値水準の手数料を提供しています。

ゼロカットシステムのメリットを享受することは、相場の急変動によるリスクを軽減する上で非常に有効ですが、同時に取引コストの影響をしっかりと検討し、自分の取引スタイルや戦略に合ったFX業者を選ぶことが重要です。

ゼロカット採用の海外FX業者を選ぶポイント

ゼロカットシステムを採用している海外FX業者を選ぶ際には、その業者の信頼性や取引コストが重要な検討事項となります。具体的には、以下の3つのポイントを考慮すべきです。

 

  • 金融ライセンスを保有している
  • スプレッドが狭い
  • 手数料が安い

 

これらの基準を押さえることで、トレーダーはより安全でコスト効率の高い取引環境を選ぶことができるようになります。それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。

 

金融ライセンスを保有している

海外FX業者を選ぶとき、業者が保有する金融ライセンスの有無は非常に重要なチェックポイントです。金融ライセンスを持っていることは、FX業者が一定の法律や規制を守り、適切に監督されて運営されている証拠になります。金融ライセンスは、トレーダーの資金が安全に管理され、公正な取引が保証されていることを意味します。

世界的に見て、英国の金融行動監視機構(FCA)やキプロス証券取引委員会(CySEC)が発行する金融ライセンスは特に信頼性が高く、よく知られています。しかし、日本を管轄するブローカーで有名な金融ライセンスを持っている例は少なく、多くはオフショア金融ライセンスを保有しています。

オフショアライセンスも一定の保護を提供しますが、FCAやCySECのようなライセンスと比較すると、監督基準は異なります。

そのため、トレーダーは選択する海外FX業者がどのようなライセンスを保有しているかを確認し、グループ企業が別の信頼できる金融ライセンスを持っているかどうかを調べるのも一つの方法です。

スプレッドが狭い

取引を行う際、スプレッドの狭さは非常に重要な要素です。スプレッドとは、買値と売値の差を指し、スプレッドが狭いほど、トレーダーが支払う取引コストは低く抑えられます。

特に、デイトレーダーやスキャルパーのように短期間で多くの取引を行うトレーダーにとって、スプレッドの影響は大きく、利益に直接関わってきます。そのため、スプレッドが狭いFX業者を選ぶことが、コストを抑えて効率よく取引を行うためのポイントです。

ゼロカットシステムを提供している海外FX業者の中にも、トレーダーにとって魅力的な低コストを実現するために、スプレッドを特に狭く設定しているところもあります。

FX業者を選ぶ際には、スプレッドの狭さも重要な比較ポイントとなるため、複数の業者を比較検討し、自分の取引スタイルに最適な条件を提供する業者を見つけましょう。

取引手数料が安い

取引を行う際、手数料は非常に重要なコストの一つです。

特に、頻繁に取引をするトレーダーにとって、取引手数料が高ければ利益が減少してしまいます。そのため、取引手数料が低い、あるいは無料で提供されているFX業者や口座タイプを選ぶのが大切です。

ゼロカットシステムを提供している海外FX業者の中には、低手数料または手数料無料で取引ができるブローカーもあります。これは、多くのトレーダーにとって大きな魅力です。

競争が激しいFX業界において、取引手数料の低さは業者を選定する際の重要な基準の一つです。手数料が安ければ安いほど、トレーダーはその分、余分なコストをかけずに済み、利益を最大化することが可能になります。

ThreeTraderは取引手数料が無料の口座タイプ、取引手数料を設定している口座タイプの2種類を提供しています。どちらもスプレッドは狭く、取引手数料も4ドル/ロットと、業界最安値水準です。

Threetraderでゼロカットシステムを活用

ThreeTraderでは、ゼロカットシステムが導入されています。ゼロカットシステムは、1営業日以内に自動的に適用され、口座残高がゼロに戻ります。重要なポイントとしては、追加入金をせずに処理を待つ必要があります。

ゼロカットシステムを悪用する取引は、利用規約で禁じられていますが、正規の取引では特に制限されませんので、過度に心配する必要はないでしょう。また、スキャルピングの制限やその他の取引に関する制限は設けられておらず、最大500倍の高いレバレッジで安心して取引できます。

さらに、スプレッドが狭く、取引手数料も業界で最も低いため、取引コストを大きく抑えられます。またキャッシュバック型のキャンペーンが主流で、利用者にとって分かりやすく、シンプルなサービスです。

豪華なボーナスを提供しているブローカーの場合、ゼロカットシステムの細かな適用条件が設定されている場合がありますが、ThreeTraderでは心配ありません。

毎朝のデイリーマーケット分析では、注目されているファンダメンタルや通貨ペアを紹介し、優位性が高いトレードができるような情報を提供しており、リスク管理も意識できる取引環境を提供しています。  

まとめ|ゼロカットシステム

海外FX取引におけるゼロカットシステムは、トレーダーが直面するリスクを軽減し、より安心して取引に臨めるようにする重要な機能です。ゼロカットシステムにより、市場の急激な変動が発生しても、トレーダーの口座残高がマイナスになるリスクを防ぎ、追加の資金請求(追証)が発生しないように保護されます。結果、特にFX初心者や小規模トレーダーは、大きな損失を恐れずに取引を行うことが可能になります。

しかし、ゼロカットシステムの利用には、処理に時間がかかる、リスク管理を軽視しやすくなる、そしてFX業者によってはスプレッドが広がり手数料が高くなるというデメリットもあります。これらの点を踏まえ、ゼロカットシステムを提供する海外FX業者を選ぶ際には、金融ライセンスの有無、スプレッドの狭さ、手数料の安さなど、様々な要素を慎重に比較検討することが重要です。

本記事を通じて、ゼロカットシステムの基本概念から、そのメリットとデメリット、さらには適切な海外FX業者の選び方まで、幅広く解説しました。海外FX市場での取引を検討している方、特にFX取引が初めての方にとって、この知識は取引を始める前の不安を和らげ、より確かな一歩を踏み出すための支援となるでしょう。

最終的に、各トレーダーが自身の投資目標とリスク許容度に合わせて、最適な業者選択と投資戦略を立てることが、成功への鍵となります。